目を開けると何故か布団に寝かされていた


「目、覚めたかい?」


そう言葉をかけられ、痛む身体を起こし声が聴こえた方向を見ると、黒い衣服を纏った青年がじっとこちらを見ていた

「ここは……?」
「俺の部屋。君、倒れていたんだよ」

月明かりだけが部屋を照らす
何が起きているのか分からない。
ただただ呆然としている俺を見かねてか青年は調子はどうかを尋ねてきた。


思い出す

なぜここに居るのか

思い出す

どうして身体が痛むのか

思い出す

寝る前は何をしていたのか


「俺は、死んだ……」


無意識に口から出た言葉でどんどんと記憶がはっきりしてきた


『いきなさい』


そう言った大殿に襲い掛かる影は、俺が斬り伏せたはずだった敵の残党
俺は大殿を庇い、斬られた


「すみません、すみません大殿……ごめんなさい……ごめんなさい……」


俺は貴方の命令に背きました
俺のせいで大殿は斬られかけた
そもそも俺が失敗などしなければ……

涙は止まることなく流れ、口からは情けない声が漏れる

突然涙を流しだした俺に何も言わず、青年は俺が落ち着くまで背中を擦っていてくれた。


「君、行くとこないならここにいなよ」


月明かりに照らされた部屋で青年はそう言い頭を撫でてくれた