沈黙と肯定
私を助けてくれた人、リインさんに御礼を言うも2日前に偶然拾っただけだとしか言わなかった。
最初こそ会話は噛みあわずお互いに首を傾げていたが今では普通に会話できるまでになっている。申し訳なく思いながらも手当てもしてくれ、起きてから数日経つがリインさんがどこかに行っている時以外は世話をやいてくれている。
リインさんに聞くとここはザイラの森の教会らしい。教会の前を通ることは何度かあったが実際中に入るのは初めてで、勝手に部屋を使っていても大丈夫なのかと聞いても「問題ない」の一言。
私とリインさん以外の人も居ないようで普段はあまり使われていないのかもしれない。
「ありがとうございました。」
装備を整えリインさんに頭を下げる。まだ左腕は動かし辛いがカン・バルクできちんと準備を整えてホーリィボトルをこまめに使ってコソコソ隠れながら行けば何とかなるだろう。
長い間お世話になっても迷惑だろうと思って出ていくことにしたのだが、突然左肩を掴まれた
「いっ……たっ!いったー!」
「まだ治っていないようだが?」
「肩!痛い!」
「なら寝ていろ」
は?っと思ってリインさんを見るも涼しい顔。手は放してくれない
「あの、手を……」
「どこへ行く気だ?」
「カラハ・シャールまで行こうかと」
「その怪我でか」
「迷惑をかけていると思うのでさっさと退散します」
「……」
そのまま黙ってしまったリインさん。しかし手は放さない。視線で訴えるも逆に掴む力は増していき放すつもりはないようだ。
「いいから大人しくしていろ」
本人もそう言っているので結局もう少しお世話になることにした。