THANK YOU!
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◎拍手お礼 カラスバSS
「カラスバ、おかえり」
この笑顔を向けられる瞬間、オレは世界で一番の幸せ者になる。
拗らせた初恋に、拗らせた思春期。「好き」というたった二文字を伝えられず、優しいまなざしを向けてくれる顔すら見れない。
「ん」
ぶっきらぼうに手を突き出す。ようやっと勝てるようになってきたバトルの賞金で、黄色い小さい花を買ったのだ。屋台で売られている花を見て、どうしようもなくこの笑顔が浮かんだ。本当なら、両手で抱えきれないほどの花束を送りたいのだが、今のオレには1輪の花で限界やった。
「お花? くれるの?」
「ん」
目を合わせる意気地がなく、斜めを見ながらもう一度差し出す。早く受け取ってほしい。性に合わないことをしている自覚が湧きあがり、恥ずかしくなってきた。
「ありがとう。うれしい」
手から離れた花を追いかけ、おそるおそる視線を上げる。なんやこれ。そこには、女神かっちゅうくらいきれいな笑顔を浮かべた初恋の人がいた。こんなもん、直視したら目が焼けて死人が出るやろ。
すでに拗らせきっているのだ。眩しすぎるその笑顔に、思わず目を細める。
「ふふっ、カラスバからお花もらっちゃった」
心臓の音がうるさすぎる。こないに動いとったら、そのうち破裂してまうんやないか。熱すぎる顔を隠したいが、この世のものとは思えないほど美しい笑顔から目が離せない。
「大事にするね」
「……ん」
たった一文字、返事ができただけでも立派なものだった。「大事にする」という言葉どおり、オレが初めてプレゼントした花は押し花としてしおりになった。時々しおりを眺めては、ほころぶ花のような笑顔を浮かべる姿になすすべなくときめき続けている。