「ここが、エーコの故郷?」
「うん。」

ジタンが困惑気味に問いかけるのもわかる。だって……見渡す限りそこは、瓦礫の山がある廃墟だったから。でも、心に湧き上がる感情がある。

「ここがエーコの故郷の、マダイン・サリよ!」

マダイン・サリ……どこかで聞いた覚えがある? そんなはずはない。この世界に来たのだって、偶然だしそもそも召喚魔法が成功したのも奇跡に等しいんだもん。

なんだか落ち着かなくなり、考えるのをやめ周りを見ようと顔を上げたとき、ダガーの姿が目に映った。

「……ダガー?」
「えっ? あ…なんでもない。行きましょう。」

そう言ってダガーは先に行っているジタンたちの後を追う。