「…人間の醜悪な欲望によって望みもしない力を与えられ、その一生を"人"として過ごすにはあまりにも儚い。身勝手な都合で自身を造り出した人間が───…いや、人類が。憎いとは思わないか、シールダー」 向けられた淡い金の瞳は、憐憫でも同情でもない。わたしを庇うように前に出たマスターが、どうしてそれを、と驚愕の声を上げているのが遠い残響のように感じられて。 敵であるサーヴァントは攻撃を仕掛けてくるわけでもなく、ただ無感情に淡い金の瞳で私を捉えている。 モニター画面のあの人は、今どんな表情をしているのだろうか。私にはじめて"人"として接してくれた人。私にはじめて、色彩を与えてくれた人。 「…私は、」 盾を持つ手に力を入れる。 「世界が私を形作り」 どこか息苦しく感じるのは戦闘の負担が回ってきたのだろうか。倒れまいと盾を持つ手に力を入れ、真っ直ぐに 「───君達の未来を、愛しているよ」 |