ミヅキ、と低い声が自分の名を呼ぶ。見上げれば青年の桔梗色の瞳が柔らかく細められ、夜の闇と同化しそうなほどに黒い髪が風に揺れる。

「お前に会えてよかった」

ふ、と柔らかい笑みを少女に向けると同時に自分の手を握っていた小さな手をそっと離す。

決して赦されないことをしてきた自分の過去を受け入れてくれ、数えきれないほどの命を奪ったこの手を優しく包んでくれ。ーーーそれだけで、十分だ。

一回り以上年が離れている少女に抱くこの想い。妹のような親愛の情が近いか。が、もしかしたら、もしかすると。浮かんだ可能性に馬鹿らしいと内心で嘲笑をし否定する。

容赦なく暴力をふるうあの男の忌まわしい血がこの身には流れている。ーーー万一、少女を傷つけてしまったら。まるで呪いのようだと思うが、あながち間違いではないだろう。

いや、それ以前に数多くの命を奪ってきた自分が差し伸べられた手を取ることは

初めて見たと驚きにぱちりと丸い瞳を瞬かせる。


お前みたいな黒い髪がよかった。そうなんとなしに呟かれた友人の言葉にミカゲはゆっくりと振り返る。自身とは正反対の色彩の、どこまでも眩い雪原を思わせるような白。くるくると髪に指を絡ませながら言葉を発した張本人は独り言だったのか、こちらを振り向く気配はない。


色素が抜け落ちた真っ白な髪色。それらは人の目を引くための要素でしかない。

「…俺はこの髪色、嫌いで仕方ねえけどな」

髪色だけではない。自分の顔が嫌いだと吐き捨てたミカゲにツバキは

子供のように見えた、なんて。

モブに絡まれる悪友コンビ

スクフェス真姫ちゃんサイドストーリー好きなことネタでまきうみ

「俺はこんなところに一生いるつもりはない。俺の、俺たちの居場所はここじゃない。陰気くさい顔してうじうじ悩んでる暇があったらさっさと逃げる経路を考えろよ」



圧倒的力を前に、さあ、ひれ伏せ。

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