水晶のように綺麗な紫色の瞳で挑戦者を真っ直ぐに捉え、少しの反撃を与えないというようにマツバお兄様は的確な指示で追い詰める。いつもは優しい色を灯している瞳も今は影を潜め、ゲンガーにシャドーボールを命じて確実に相手の体力、戦意を喪失させていく。

隣で一緒に観戦しているムウマがぽかんと口を開けているのが可笑しくてつい笑みがこぼれる。


「ね、ムウマ。お兄様はすごいでしょう?」

「ムウー…」


お兄様はもちろん、一緒に戦っているゲンガーもだけど。

視線をムウマからフィールドに向ければ、バトルは間もなく終盤を迎えようとしている。

お兄様がゲンガーにシャドーボールを命じると同時に響く大きな音。挑戦者のポケモンがふらつきながら踏みとどまるも、ぱたりと力なく倒れてしまう。一瞥した審判が勝敗を下し悔しそうにポケモンをボールに戻す。そんな挑戦者にお兄様は労いの言葉とアドバイスをかけ、背を見送るのと同時にたまらずバトルフィールドに駆け寄った。


「お兄様!!」

「ああ、ユリ。そんなに走ったら転ぶかもしれないじゃないか」


全くお転婆なんだから、とマツバお兄様の言葉にう、と口ごもり恥ずかしさから少し顔に熱が集まるけれど、お兄様への賞賛の言葉は一度口にしたら止まらない。


「お兄様、先ほどのバトルお疲れ様でしたわ!ゲンガーへの的確な指示と相手を追い込む技の数々!さすがはお兄様ですわ!」

「はは、ありがとう。挑戦者も強かったけどもう一歩だったね。次にこのジムに訪れるときはもしかしたらバッジを渡すことになるかもね」

「いいえ!お兄様は絶対に負けませんわ!次も必ず挑戦者を退けるに決まっていますわ!」

「まあ、僕もそう簡単にバッジを渡すつもりはないよ。エンジュのジムリーダーとして挑戦者の壁になり勝ち続けなければいけないからね」


言葉とは裏腹に穏やかに笑うマツバお兄様だけれど、瞳には強い意志が潜んでいて。

同意するようにゲンガーも力強く鳴き、お兄様に優しくその頭を撫でてもらい嬉しそうにしているのがとても微笑ましい。

ふいにムウマが私の側を離れ、ゲンガーに近寄り何事か話しかけていた。


「ムウッ、ムウー!」

「ゲン?ゲン、ンガー!」


ゲンガーは短い手足をぱたぱたと動かして




「一体何を話しているの



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