視界いっぱいに広がる華やかな蒼。私の瞳と同じ色だわ、なんて思ってしまうのは、今日が誕生日だから浮かれているのかしらと内心苦笑する。μ'sの皆から一斉にお祝いの言葉と満面の笑みを向けられ、嬉しさに表情が緩むのを抑えきれずにありがとう、とお礼を言う。

「その薔薇、絵里の瞳みたいに綺麗ねって皆で話してたのよ」
「ふふ、そう言ってもらえてとても光栄だわ」
「もう、絵里ったら大袈裟よ」

そうかしら?と、とぼければ真姫は呆れながらも息を吐くけれど、アメジストの瞳は柔らかく笑んでいる。

「蒼い薔薇を生み出すのは各国で研究を重ねてきたけど中々難しくて、それ故につけられていた花言葉は『不可能』だったのよ」
「確か12年の研究を経てようやく生み出されたんですよね。そして花言葉は───」
「『奇跡、夢叶う、神の祝福』」

海未の言葉の続きを受け取り、ゆっくり紡いでいく。口に出せば容易い。けれど、たった数秒で言い終わるこの花言葉は、決して簡単に生み出されはいない。

自分のやりたいことで輝いている貴女達が羨ましくて。
そんな貴女達に私は立ち塞がって。
───こんな私に、手を差し伸べてくれて。

貴女達と、μ'sの一員としてこの場にいることが。私の生まれた日に、皆が祝福してくれることが。

「私にとってμ'sは、蒼い薔薇そのものよ」

奇跡、夢叶う、神の祝福。

私の蒼い薔薇は、貴女達。





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