「この時間になるとようやく涼しくなってくるわね」 「ええ。風が気持ち良いです」 ミューズ内で作詞と作曲をそれぞれ手掛ける海未と真姫は、普段より遅い時間に帰路を歩く。 青色の長く艶やかな髪を海未はそっと耳にかける。 地平線の向こうでは夕日が沈みかけており、代わりに夜の帳が下りようとしている光景は幻想的だ。 「真姫、見てください。沈みゆく夕日がとても綺麗ですよ」 「ええ、本当ね」 景色はもちろんのことだが、何よりも隣にいる彼女が。 (本当に、綺麗…) 青色の長く艶やかな髪、凛とした美しい顔立ち、 夕暮れのなか佇む海未はまるで一枚の写真のようだ。 青色の長く艶やかな髪、凛とした美しい顔立ち、彼女の性格を表したようなまっすぐ伸びた背筋。だからこそ |