ガタンゴトンと、規則的なリズムと振動の心地よさが眠気を誘う。思わず出てしまった小さなあくびを噛み殺せば、「眠いですか」と隣からくすくすと控えめな笑い声が降ってくる。

「少しうとうとしちゃっただけよ」
「ふふ、そうですか」

まるで子供をあやすような海未の言葉に少し眉を寄せてしまうが、事実なのだからと仕方ないと自分を納得させる。

「眠いなら肩を貸しましょうか?」
「大丈夫よ。それにほら、もうすぐ駅につくでしょう」
「ああ、本当ですね」

私の言葉に海未の琥珀色の瞳が車内の電光掲示板に視線を向ける。アナウンスが入り、荷物(といっても学校鞄だけだけど)を手に取り降りる準備をする。

「真姫、忘れ物がないか確認してくださいね」
「穂乃果じゃないんだから大丈夫よ」
「ふふ、そうですね」

きっと今頃くしゃみをしているでしょうね、と続けられた海未の言葉にお互い顔を見合せくすくすと小さく笑う。











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