Blog 日常と創作


▼2016/09/11『君の名は!』

本日、映画『君の名は。』を観てきました。先日ぼやいてから意外とすぐ行っちゃいました。
まず、内容とはあまり関係ない話をしたいです。
私があの映画の存在を知ったのは今年の冬から春ごろのことで、それぞれ都会と田舎に立つ男女二人が振り向き合うキービジュアルが丁度公開された頃でした。当時あのイラストに一目で心を奪われ、相当気になっていたことを鮮明に覚えています。
私は映像作品を観る時は「過度には期待しない」スタンスでいつも頭をやや冷やしながら見ようとするのですが、今回はどうにもむりで(前評判の良さもありましたし…)気が付けば、あの美しいキービジュアルの世界を求め焦がれるような気持ちで映画館に足を運んでおりました。ちなみに一人で映画館に向かうのは初めての試みです。今年の自分謎にアクティブ。

ちなみに「君の名は見終わったら続けてワンピとかシンゴジラとか観てやるぜうへへ」とか画策はしていた行く前の小さな野望は、観劇後になると綺麗さっぱり消え失せていましたね。はい。それくらい面白かったです。
続きから具体的な感想です。※以下ネタバレ注意!


冒頭から風景が美しいのなんのって……。楽しみにしていた映像は期待以上に美しくて、終始画面に釘付けでした。
物語の最初、ふたりが入れ替わった!というのが説明で順に紹介されるのではなく「昨日の記憶があんまりない。周囲の反応がおかしい→誰かと入れ替わるリアルな夢を見てる、楽しいけど変なの→あれ、目が覚めたらやっぱ色々おかしい→あれ、また違う人になる夢、スマホやノートに何か書いて……→私/俺あの人と交互に入れ替わってる!」 なんて聞いたこともない構成で開幕ビビりましたね。
入れ替わる日々が続くうち、徐々にお互いの人生を楽しんでいくさまも妙なリアルさがあって、良かったです。最初ふたりは、お互い……というよりは『鮮烈な思い出』に恋をしていったように思います。
ある日ミツハのおばあちゃんが言っていた「人生は撚り糸とおなじ。人と人との出会い、すべては『結び』だよ」(うろ覚え)との概念がお話全体のキーワードになっていて、誰も彼も、ともに集まって、寄り添って、離れて、また絡んで……。この美しい世界で、自分は確かに生きている。まだ会ったことのないあの人も、そこで確かに生きていた。都会っ子のタキにとって、ミツハの人生を擬似体験する中で耳にしたあの『結び』という言葉はかつてない衝撃だったんでしょうね。

あと実は……「君の名は。って男の子が事故で死んだ女の子を助けに行く話だよねー」という超絶ネタバレを事前にウッカリ耳にしてしまっていたので……彗星落下事故に関しては「あぁ…」という感じで受け止めました。あそこ本来ならすごい衝撃的な事実ですよね!?よい子のみんなは旬の作品のネタバレを街中で喋っちゃダメですよ!!
彼らが互いに奔走して、黄昏時、ときの狭間で出逢う場面はロマンチックでした。ここまでの伏線回収も二人のハートフルな振る舞いも余りにも見事すぎて圧倒されました。
必ず起こる大規模事故を防ぐために登場人物たちが苦しんでもがいてなお、町を破壊される描写を見せつけられたときは「やはり過去の人物は救えない運命なのか……」と思い胸が締め付けられましたが……ラストでの社会人になったタキの語り、種明かしまで物凄かったですね……!!あれ、ミツハによるお父さんへの説得が上手くいってみんな助かったことを後からバラすなんて、いや、あんな破壊と忘却描いた後に教えてくれるだなんて……もうズルいです、いちいち丁寧に全部救ってくださいましたね監督ありがとうございます…(深々とお辞儀)

本当にどのシーンを取っても凄いですよ……。
劇中、特に印象に残ったのは、主役のタキとミツハが互いに惹かれ合う描写の巧みさです。場面場面の心の揺れ動きが緻密に描写されていて、ふたりは劇中で何度も惹かれ合って見えます。そんななか私は以前どこかで聞いた、キリスト関連のお話を思い出していました。
それは──人間の性別が男女ふたつに分かれているのは神のしわざで、ゆえにヒトは生まれながらに不完全だから、人生の中で自らの『片割れ』を捜しているのだ──と、当時はふーん程度に聞き流した覚えのある誰かの妄言らしきその台詞の意味が、目の前に質量をもって映し出されているのを私はただただ呆然として受けいれていて。
人の孤独感、目に見えない心の温もり、男女を問わず人間誰しも生まれながらに求め焦がれている『愛への渇望』そういったものへの力強いメッセージを作品から受け取ることができました。


ただ、以上まで大絶賛してきましたが、ここで敢えて野暮なことへ突っ込むとしたらこの場でいくつか思い浮かびます。
・背後で起きていたタイムスリップという世紀の大発見にこそ、主人公は強い興味を持つべきではないのか?
・そもそも二人は、互いに出会うきっかけとなった男女入れ替わりのメカニズムを追求すべきではないのか?
……つまり、巨大彗星の落下などという不幸な事故よりも、もっと重要で鮮烈な出来事が作中で確かに起こっていました。後者に至ってはヒロインの家系で何世代も続いていると……。
そこについて全く言及がないというのは、直近の流行り物で例えると「異世界転生モノ」などで「世界転生トリップ」というトンデモ現象が起きているのに新生ハーレム&社会出世に明け暮れるラノベ主人公と同じ理屈っぽいですよね。

ですが本作の場合、この指摘も当てはまらないかもしれません。

作中で何度も起こった上記の不可思議現象に対して、両者ともに「確かに起こった出来事のはずなのに、脳が覚えていられず体験ごと掻き消えていってしまう」ふうな描写が繰り返されていました。
あれは、例の現象が完全に『人知の及ばざるもの』として描かれていたんでしょうね。
『記憶ごと完全に忘れ去り、知りもしないはず。なのに、いま現実に残る例の出来事の片鱗が、どうしようもなく“心”を惹きつけて離さない』
と描写が続き、真相が明らかにされないことによって本来のテーマがより深く浮き彫りになっていました。
欠点になり得る部分すら、演出効果に早変わりだったのです。うーん、さっき挙げた指摘については実に野暮なことと思われます……。主題変わっちゃうしね。


ところでこれ……気付いたら随分と長くなっていません?約一時間弱もメモ帳に食われた、ショッピングモール休憩所(映画鑑賞直後)の私です。こんなに真剣に版権作品の感想書いたの初です。
ぶっちゃけまだまだ書き足りません。挿入楽曲も声優の演技も本当にすごかった。映画『君の名は。』劇中たった二時間足らずの中に込められた熱は計り知れないものです。

向こうの日本の誰一人例の出来事の真相を知らず、観劇した私たちだけがあの心踊る大冒険を覚えている……。
良い体験をさせて頂きました。感謝。

#お気に入り #感想
考察語り記(2016/09/11 19:29)


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