※「夢見人たちよ」夢主
あぁ、もう、何故こうなってしまったのだろうか。
目の前に広がるのは、酒。酔って床にくたばっている男ども。関わらず飲み続ける我らが航海士…。
「……えーと…まず、ロビンは?」
「先に部屋に戻ってるわよ」
「…こいつら、放置?」
「何で私がわざわざ部屋に運ばなくちゃいけないのよ」
だいたい私か弱いから男運ぶ力なんて無いし。
にっこりと笑いながら云うナミに、尤もだと思う反面…ナミの性格上力があっても運ばないだろうなと思った。勿論、口には出さないが。
「イオも飲まない?ついさっきゾロもくたばっちゃってさ」
「…とりあえず今は遠慮しとくよ」
ただちょっとした宴のはずだったのだが…何故酒ばかりが投与され船員の大半が酔いつぶれる結果に至ったのだろうか。
どこで間違えたのか分からず頭を悩ませてしまう。あのゾロさえ潰れてしまうぐらいだ。
酒の入ったグラスを揺らして誘ってくれたナミに苦笑気味に断り、イオは床にいる男を見回した。
…そりゃあもうぐっすりと眠りについている。
「…僕はみんなを運ぶよ」
「何で?イオがする必要ないわ」
「いやぁ、だって…」
少しつまらなそうな顔をするナミに見せるように、自分の足を指差す。
――足首には、手。その先を見れば、涎を垂らしながら顔を真っ赤にして寝ている船長がいた。
「ね?」
「……ったくコイツは…」
どちらにしろルフィを動かさなければ自分も何も出来ない。
自分にはナミと違い風を使ってルフィを浮かせることが出来るので、男部屋へ連れていってやることにした。
足首を掴むルフィの手をほどいてから指を鳴らす。
ルフィの体がふっと浮き上がり、イオはそのままラウンジを出た。
「酒臭いなぁ…」
普段は彼からすることのない臭いがぷんぷんとしてくるので呆れる。
酒なんて飲めるわけもないのに、何も考えずに飲むんだから。
溜息を吐きながら男部屋に入る。並ぶ木製のハンモックを見つめてから、少しの沈黙。
…ルフィの寝ているハンモックがどれか分からなかった。
「…ルフィ、ルフィ起きて」
未だに宙を浮いたままぐっすりと寝ているルフィの頬をぺちぺちと叩く。
暫く反応が無かったのでこれぐらいでは起きないだろうかと、何か簡単に起こせるものはないかと辺りを見渡す。
「!」
…と、腕をがしりと掴まれる。突然のことで少し驚いたが、相手は一人しかいない。ルフィだ。
驚いた拍子にルフィを落としてしまったが、あまりダメージは無いのか未だに眠気眼でこちらを見ている。
手が、イオの手を握った。
「ご、ごめんルフィ落としちゃっ…」
「イオ…」
「…ん?」
「ししし…すげー、すき だ」
――突然 何を云いだすのか
「…っ」
唐突すぎてどきりと胸が弾む。ほんのりと、頬が熱くなる。
おかしい。
前までは、普通に対応出来たはずなのに。
握られている手に力がこもって、もう片方の手が後頭部へと回ってくる。
顔を寄せられたと思えば、触れる程度のキス。
息がかかる程の間近な距離で見つめあい、ルフィはにいっと笑ってすぐに眠ってしまった。
「……」
彼の顔は真っ赤。普段から何を考えているのか分からないのに、酔っているので更に突拍子もないことをする。
でも、想いが本当だと分かっているからこそ――恥ずかしい。
「…あぁ、もう」
眠るルフィを前に俯いて銀色の髪をかきあげる。
( ―― ずるい、んだってば )
いつも、いつもいつも
振り回されるだけではないか。
握られた手は離されることはなく、イオも離す気が失せてしまった。
たった二人きりの男部屋にて、イオは誰も聞いていない空間で、掠れる程の声を搾り出した。
「 」
幸せそうに眠っている男に、一瞬だけ触れる唇。
自分よりも少しだけ大きな手を、きゅっと握り返した。
「──僕も、だよ」
(……うああ…寝込み襲ってるよ僕…何してんだ……)
アラバスタとか…それより少し後らへんですね。
ヒロインは恋愛事情には慣れていないので自覚すると照れまくると思います。
としさん!!…相互記念のはずが何かすんごい遅くなっちゃってすいませんでした…!!
素敵な文章送ってもらっておいて変なもの差し出せないと考えていたら…な、何か、ね!(何)
でも何か…なんだこれって感じですね…はい…。
としさんのみお持ち帰り可。