「ルフィ、」
「ん?」
「…私達、さ 恋人だよね?」
「おう」



平然と頷くルフィを見て、嬉しいはずなのに何だか頭を抱えたくなった。
謎でいっぱい。頭は混乱。何というか……恋人って何でしょうか。
私の思う恋人は、やっぱり手を繋いだり抱きしめあったり…き、キスしたりとか。
でもやっぱりというか…ルフィはそういうの全く興味が無いようだ。
ていうか寧ろ両想いになれたことが奇跡なんだ、私にとっては。

恋なんてしなそうなルフィが私の事好きでいてくれて凄く嬉しかった。
けど今になれば…それは本当だったのかと不思議になる。ていうかルフィは恋人の意味分かってるのかな。



「……ルフィ…」
「ん?」
「…何でもない」



うん、これじゃあナミやロビンと変わらないよ。ただの仲間じゃないか私。
分かってるんだけど、でも怖くて聞けない。結局特別な存在じゃないんだなって気付いたら…一度舞い上がった分かなり悲しい。


「何だよ、気になるじゃねぇか!」
「…いや…良いよ」
「何でだよ、俺は良くねぇぞ」
「……、ただ…」
「ただ?」


私の正面で胡坐をかき、首を傾げるルフィ。(そ、そういうのも可愛いとか思う私もう駄目だ)
こうなったらルフィはきっと答えを聞くまで納得しないだろう。…逃げられない。
それを良く分かっていた私は一応白状…小さな声で。




「こ…恋人っぽいこと……して、ない  なって」




云った瞬間に顔が一気に熱くなる。
何か…やだな、女の子から求めてるっていうのも。何これ私欲求不満みたいじゃんか。(…そうなのかな)

ルフィは私の呟いた言葉は聞き取れたみたいだけど、いまいち理解出来てないのか返事がない。
恐る恐るルフィを見ると、



「恋人っぽいことって、何すんだ?」




とんでもないこと云いだした。

それも知らないのかコイツは。もう…男じゃない。男だけど男じゃない!
そんなことも知らないのなんてうちの船じゃチョッパーぐらいじゃん!お前もか!


「あの……手、繋いだり…抱きしめ、たり………き…す、した り」


…最早羞恥プレイだこれは。
何で私はこんなに恥ずかしい事をしなくちゃならないんだろう。出来ることなら逃げ出したい。(言い出しっぺ私だけど)

目を逸らしてさっきより小さい声で云うと、ルフィは暫くしてからニッと笑い、私の手を握ってきた。
驚いてルフィを見ると、やっぱりいつもの笑顔。子供みたいな、可愛い笑顔。
かと思えば、ぐいっと手を引かれてルフィの胸の中にダイブ。

見た目よりも結構ある筋肉、目の前に広がる赤い服に、ルフィの匂い。
背中に回る腕の感触、未だに握られたままの掌の熱。


体中が、熱くなった。



「何だよ、もっと早く云えばしてやったのに」
「そ、そんな簡単に云えるわけないじゃん!」
「で、キスって何すんだ?」
「……はい?」



ルフィの言葉に私は目を丸める。
抱きしめられたままルフィを見上げると、ルフィは本当に知らないのか…首を傾げてて。え、嘘でしょ。嘘って云ってよ。
私にどうしろと…!


「いやぁー…あの、えぇと」
「イオ、やってくれ!きす!」
「……」


なななな何を云い出してんだコイツは。
キスをしろと?ルフィに?私が?そんな…無茶な!


「無理!絶対無理!」
「何でだよ!そうじゃねェと俺もイオに出来ねぇだろ!」
「ほ、他の人に聞いてよ…」
「やだ、してもらった方が早ェ!」


何こだわってんの。もう本当勘弁してください。この人云い出すと聞かないんだよね…。

きらきらと本当に少年の瞳を向けるルフィに私は困り果ててしまう。うわぁ…凄い見てるんだけど。
これでどうしろと。私にキスをしろと?そんな…無謀な!


「じゃあ…せめて目瞑ってよ」
「何でだ?」
「何でも!」


つまらなそうに、渋々目を瞑ってくれたルフィ。
そんなルフィの顔を前に、ドキドキしながら近づく。

云われたからするんだ…頼まれたからするんだ…しょうがないじゃんルフィがキス知らないんだから!

自分に必死に言い聞かせて、私は一瞬だけルフィの唇に触れる。
すぐに離れると、ルフィはとても嬉しそうに笑っていた。…ん?(驚いたりは、しないのね)

何だか笑顔のルフィに違和感を感じて呆然としていると、ルフィが私の顔を掴んで、今度は…ルフィが、キスしてきた。
嬉しい。嬉しいんだけど…油断していたら、予想外にも口の中に変なもの入ってきて
柔らかくて、ざらざらした、それ。私の舌を絡めとって、好き勝手しだした。



な  ななななな何をしてくれてんだコイツは。




「んっ…ん゙ーっ!!」



精一杯肩を叩いて離してもらうよう訴える。
それに応えてくれたルフィ。私はぜいぜいと息を切らしながら、顔を真っ赤にして


「な、何してんのルフィ!!」
「イオからキスしてほしいから待ってたんだ!」


…待ってた?
…私がキス、するのを?

つまり、ルフィはキスを知っていたと?



「な…にそれぇ!騙してたんじゃん!ルフィのくせに!」
「良いじゃねェか!イオからキスしてほしかったんだから!」
「も…ッ、うわぁ恥ずっ!!」








でも嬉しかったなんて絶対云わない!

(またやってるわあの二人)(まさにバカップルだな)


「意地悪ルフィの甘甘」というフリリクで書いたものです。純粋な子供ルフィしか書いたこと無かったので難しかったです。そして甘甘とか…!ほのぼのばっか書いてる私には未知の領域でした!(´`;)
これ…意地悪ルフィ…?


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