ウソップとチョッパーと一緒に甲板でばたばたと遊び回っている船長を見つめ、小さく笑う。
退屈で自分が嫌いになるような毎日を抜けだして海賊になったのは少し前の話。あたしには戦える力なんて持ってなくてほとんど役立たずだけど、この船の人はとてもお人好しでとても馬鹿でとても良い人たちで、そんなあたしを大切な仲間と言って守ってくれるのである。
いずれは、この船にいるために自分も戦えるようにならなくちゃとか思うけど。それはまぁ、今は置いといて。

ふと振り向いて見上げてきたルフィとがっつりと目があってしまい、何だか気恥かしくなる。
目が合ってニッと笑ったルフィに、顔が熱くなった。

彼は太陽のようだ。あの笑顔といい、暗闇にいたあたしを空の下に連れていってくれたのは彼だから。

そんな太陽はウソップとチョッパーをさしおいて、何故か腕を伸ばしてあたしのところへと器用にやってきた。


「イオ、お前こんなとこでボーっとしてて楽しいのか?」
「うん、楽しいよ。ルフィ見てると幸せなの」
「?そーなのか?」
「そーなの」
「ふーん、イオって変わってんなぁ。一緒に遊んだ方が楽しいのに」
「あたしにはあたしの価値観があるんですー」


「へー」と言いながらもよく分かってなさそうなルフィに笑う。本当鈍感でお馬鹿で、純粋なお子様だ。


「ルフィ」
「ん?」
「ルフィの側にいれてあたし幸せだよ」


あたしの言葉に嬉しそうに笑ってくれたルフィ。


「海賊は楽しいだろ!」


お子様なルフィに頭をわしゃわしゃと撫でまわされて、満更でもない私。
確かに海出て、怖い想いしたし大変なことがないわけじゃなかった。だけどそれがあってこその、普段の楽しさだと思うわけで。
口元に笑みを浮かべて頷くのを確認すると、ルフィは満足気に笑ってまたウソップとチョッパーの元へ戻って行った。


(──…ま、ルフィのいる海賊だから、楽しいんだろうけど)


この想いを伝えるには少し早いだろうから
まだ、今はこのままでいいの。





太陽に焦がれる

(だけど…想いが通じる“いつか”がありますように)


実は「逃避行しようか」の続き



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