※「トキノナミダ」夢主
「一護ぉ、これ何?」
「あ?」
家に帰ってきた一護の鞄から綺麗に包装された箱を見つけた。
見る限りプレゼントか何かかなー。でも今日何か特別なことあったっけ?
一護の誕生日じゃないしー…何かの記念?
「あぁ、チョコ」
「チョコ?あたし食べたい」
「あー…それはちょっと」
「何でー?」
チョコ、嫌いじゃないんだけどなぁ。
でもやっぱこの包装されてるところ見ると、誰かから貰ったのか。
それはちょっと食べちゃまずいんだよね。残念。
「井上から貰ったんだよ」
「…織姫?」
織姫………
『チョコ作り?』
『うん!一緒にやらないかなーって』
『何で?』
『何でって…もうすぐバレンタインデーだよっ!』
あぁ、そっか。バレンタイン。あれ今日なんだっけ。
織姫は一護が好きだったもんねーそれであたしは誘われたけど、あげる人もいないし料理とか無理だからって断ったんだ。
そっか、あげられたのか。一護を見る限り告白は出来てないみたいだけど。
「一護もバレンタインチョコ貰えるようになったかー成長したねぇ」
「『成長したね』じゃねぇよ!」
一護にチョコを返す。
前まで怖がられてるから誰もチョコくれかったんだよね。
一度だけ可哀相だからってチョコあげたら機嫌損ねたこともあったなぁ。懐かしい。
…そっか、好きな人に…チョコ、渡す日――…
何か今年忙しかったたからバレンタインのことすっかり忘れてたな…
…そっか、今日だったんだ。
今年は…隊長にあげられなかったな――…
「……」
『感謝してるから』とか『義理チョコだし』とか云って毎年チョコ渡してた。
隊長は毎年少し照れくさそうにお礼を云う。そんな隊長見るのが、また好きだったりした。
けど…隊長には桃がいるし(分かってたけど、)
やっぱそれ考えると辛いし、今年はもういいや…。
「そういやお前からのチョコ欲しがってるの沢山いたな」
「へー」
「お前の手作りは恐ろしいなんて知りもしないからな」
「失礼な。食べれるよきっと」
うん…多分。(いっそ遊子に教わろうかな)
「じゃあよ、俺が食えるか試す」
「…ん?」
一護の云いたいことがイマイチ分からなくて、首を傾げる。
一護は少し顔を赤くして頬をポリポリと掻きながら、
「その…だからだな、」
「…」
「俺は、お前のチョコが、欲しい」
「……素直にそう云えばいいのにー可愛いなぁ一護は」
「ほっとけ!!」
織姫っていう可愛い子からチョコを貰ってるくせになんて強欲な子なんだろうね。
…でも、来年から頑張ろうかな、忘れてなかったら。(とりあえず「不味い」って云われないのを目指そう)
(…俺の気持ちが伝わるのは、まだまだ先らしい)