君が好きで、君と一緒にいたくて


一緒にいる理由にしようと、夜空に瞬く星を見るようになったのはいつのことだっけ

















「へっくしっ」



可愛くないくしゃみを一つ。
ズルズルと出てくる鼻水をすすってたら、君は笑いながら珍しく持ってたティッシュをあたしに渡してくれた。


「風邪か?こんなところいるともっと冷えちまうぞ」


ゆるゆるとした優しい声。
心配してくれてるのが嬉しくて思わず口元が緩んだ。


「大丈夫だよ、あたし馬鹿だしー」
「鼻水出てるじゃねぇか…」
「平気ったら平気ですー」


鼻水をかんでそのティッシュを丸めてポケットに突っ込む。
手が冷えてるから微かに震えてた。
やっぱり冬の風は冷たくて外にいるのは、辛い。


「俺知らんからな、風邪拗らしても」
「何云ってんの、一緒にいたんだから葉もアンナさんに怒られるんだよ」
「!!…紗枝、オイラに何の恨みがあるんよ…」


アンナさんの話をすると葉は面白いぐらいに顔を青くさせる。
それぐらい怖がってるっていうか頭が上がらなくて無茶苦茶やられてるのも知っているわけで。

アンナさんが葉の許婚ってことも、勿論、



「ねぇ葉」
「ん?」
「好きだよ」



落ち着いてるように見せかけといて内心ではパニック状態。
思わず口がすべってしまったからって、こんな急に云うってどうなんだあたし。
しかも鼻水かんだ後にだよ?最悪だなあたし。

葉は目を開いて驚いてた。
この反応だと、ちゃんと「好き」の意味分かったのかな。
あぁ、どうしようこのままじゃもうあたしは葉の隣で、この墓場で一緒に星を見ることが出来なくなる。
寂しい、な。



「――…そうか」
「……そうです」



葉はあたしから空へ視線を戻して呟いた。

返事は、出来ないだろうな。
葉にはアンナさんがいるんだから、これじゃ浮気だもん。
まぁ、その前に葉に好きにもらってなきゃ話になんないんだけど。

…素直に断られるよりはよかったかな。
葉は、優しい。






「――…って、どうした!?」



葉がふとあたしを見て驚き、焦った。

あーあ、見られちゃった。


「…何で泣きそうなんだ?」


どうして、気付いちゃうかなぁ。
気付かないでほしかったなぁ。

葉にはアンナさんがいるって分かってたのに、何であたしは葉を好きになっちゃったんだろうなぁ。


「…ごめん葉、困るだけだよね…今のあの、全部忘れてくれて良いから」
「………」







「―――今日は冷えるなぁ」







葉は空を見上げて、あたしの掌に自分のそれを重ねた。
葉の掌も冷たかった。
あたしの溢れそうになった涙は葉の行動により引っ込んでくれた。
けど、今度は心臓がドキドキと煩くて



「困らんぞ」

「…へ?」


葉は、微笑んでて






「オイラは、すっげー嬉しい」






目があった。

優しいその瞳から逸らすことができなかった。


まだ頭が着いていけてないで言葉を失ってるあたしに、葉が重ねている手をキュッと握ってゆっくりと近づいてきた。


あれ……これって――――











「へっっくしゅ!」












「…………」
「…………」


最悪っていうか…死ねば良いのに、あたし。
今のタイミングでくしゃみ出た自分を疑いたくなる。
だって今のって、あたしの予想が正しければ………


「…何つーか、空気の読めない奴だよなぁ」
「すっ、すんません本当にすんません嫌いにならないでください!」
「……」


顔は目の前。それだけでも恥ずかしいのにくしゃみとか。くしゃみとか。
あたしを見ないでほしい。穴があったら入りたい。
ああ、泣きたい。




「…っぷ」



そしたら、ジッとあたしを見ていた葉は吹き出してから声を出して笑った。


「まぁ、それが紗枝なんだけどな」
「………」
「オイラは、そういうところ好きになったからよ」


ウェッヘッへと葉の特徴のある笑い方を見せながら、あたしにまたティッシュをくれる。
最初それが恥ずかしかったけど、葉が未だに笑ってるのを見てたら何だかどうでもよくなってきて、途中からあたしも一緒に笑った。




「そんじゃ、そろそろ帰るかぁ」
「うんっ!」





握られたままの掌に自然と笑みがこぼれるのに気づきながら、あたしは彼の手を握り返した。
ずっと握ってたからなのかな、いつの間にか彼の掌は温かくなっていた。あたしの手も温かくなってた。


















夜空の下で


手を繋いで




フリリク「マンキン/葉/ほのぼの」
リクありがとうございました!

名前変換少なくてすんません…
もともと拍手用SSだったのですよ。

久々にマンキンを見てやっぱ結構マンキン好きなんだよなぁと思った。
売らなくてよかった、うん。
葉もやっぱあのゆるゆる感が好きですね。
金に余裕できたら最終巻まで買おうかなー中古屋で。
アニメのね、葉の声が好きなのよ。ぴったりじゃないすか。
あとオープニングも好きだった。



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