「あたしあんたのことさ、子供としか思えないから」
「!!」



この人は、僕が気にしていることを簡単に云って僕を傷つける。
あっさりしすぎて気持ちがいいほどに云ってのけるんだ。(気持ちいいのは他の人から見ての話で、僕は別っ!)

二度のショックを受けた気分。

失恋っていうものと、
身長のことと、


「これでも…身長伸びてるんですよ!前に0.02ミリ!!」
「…それ気のせいじゃないの?朝測るとちょっと伸びるっていうよね」


ちゃんと昼間測ったし気のせいでもない!身長はかなり真剣に測るんだから。
(気のせいだった時のショックを僕は忘れてない)


「それにね、身長だけじゃないから。もう中身も小学生でしょ、あんた」


あんたを男として見るとか無理だから。マジで。


顔を少し顰めて手を横に振るもんだから僕は泣きたくなった。
それでもやっぱり諦めたくなくて、諦めることなんて出来なくて、僕は粘る。


「そんなことないですよ!」
「あるある。すぐ顔真っ赤になるしお馬鹿さんだし何も知らなすぎる」


世の中の厳しさとか何とか云々。
そりゃ、この身長でバスケやってインターハイ目指すなんて無謀なのは十分承知。でも出来るような気がするのは本当。
みんながいるから、やけに自信がある。


「あたし子供って苦手。純粋すぎるから」


そう云って煙草を吸い出す。
…色々あってひねくれちゃったのは前に百春君から聞いた。(悪友だったらしく)


夢を見すぎなのかもしれない。
だけど世の中の厳しさとか、これでも少しは分かってるつもりだよ。(身長関係で、だけど)


それに、





「――――…」






「…純粋なんかじゃ、ないです。僕は、前に女子バスケ部の部室覗いちゃったことあるし、ちょっといやらしい夢だって、見たことある」

「これでも、その、こーゆうこと、したいって 思う、し」


「子供じゃ、ない です」




何、云ってるんだろう。
それに、今僕、何した?
自分でも吃驚してる。思わず体が動いちゃったんだ。
白い手を掴んで、近づいて、触れるだけの、簡単な き、す

あぁ、顔熱くなってきた。



「――…ガキ」



そんな声の後、僕は顔を片手で掴まれて
頬が寄って自然と唇が尖ってる。(何されてるんだろ、僕)


「子供じゃないなら、舌つっこむぐらいしてみたらどうなの」
「……し、した?」


舌つっこむって……どこに?


「……百春にでも教えてもらったら(困るだろーなアイツ。教えようがないし)」
「え、え」
「あ、云っとくけど無理して背伸びするガキは嫌いだから」
「!!」


「苦手」から、「嫌い」にされた。
重い石を落とされたみたいに頭がズキズキと痛くなってきた。
もう、どうすればいいか分からないです僕は。

どれだけ気持ちを伝えても、どれだけ好かれようと色々してみても、僕はやっぱり、視界にも入れてもらえてないのかな。


「――…けど、」
「…?」




「チビのくせに、でかい奴らの中でバスケ頑張るあんたは、嫌いじゃないかな」






照れてるのか、顔を背けられた。
僕は嬉しくて、にやける顔を抑えることが出来なくて、どこかへ行こうと歩き出した背中に向かって思い切って抱きついた。









だから好きなんだ


(ちょ、くっつくなこのやろう!)(好きです!!)(うっさいし!離れてっ)(僕、今すっごい幸せですっっ)(あぁそっ!離れろ!)
云うこときついけど、時に優しい君に僕はもう虜


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