note

1010
Wed
あなたの夢で会いたい

昨日更新した「夢の草原で会いましょう」の私的な覚書とかをつらつらと
実はFateにハマったのは結構最近だったりします。確かHF映画第一章の公開される少し……半年くらい前のことかな。zeroはその2、3年前にアニメを見ていたのですが、どうもピンとこなくて。面白いけど私とは毛色が違うかな、なんて思っていたのですけど。FGOという作品がワイワイ賑やかになっていることは知っていたのですが、基本的にどうも人気のある作品には天邪鬼になるタイプのようでして、なかなか始める気にならなかった。でも多分どこかでFateという作品のことが心の片隅に引っかかっていたんでしょうね。SNがアニメ化されているということで、DEEN版を見ようかということになったんです。いや、あの作品自体に色々と荒削りな部分や掘り下げきれていない部分が多々あることは今は分かっているのですが、とにかく見てみた。
その最終話の美しいこと美しいこと。士郎の青空を見上げるカットからシーンを移し、同じ空を経由してセイバーに繋がる。
「見ているのですか、王。夢の続きを」
ぽつりぽつりと落とされる川澄さんの演技も絶大で、何がどうしてかわからないけれど思わずひたすらに泣いてしまって。作品の「終わり」をここまで美しいと思うのは実は初めてのことで、こんな作品なら他の話も見てみようとなったんです。
そこからufoさんのUBWを見て、衛宮士郎という人間そのものの生き様というか意味、みたいなそういうものにとても感傷を受けて暫く呻いている頃にFGOのね、星4サーヴァント配布キャンペーンが一年前にあったじゃないですか。その頃スマホの買い替えとか色々と要因が重なったのもあったのですが、始めるなら今しかないな、と。エミヤを頂きまして、晴れてFGOデビューをしたんです。
でもまだ当時私はそこまでFGOという作品に入れ込んでいたわけではなかったので、イベントとかストーリーとか、適当にこなしつつ(めんどくさいとか嘆きながら)Fateの、スマホ版レアルタをインストールして、そっちをメインに進めていたんです。あんまりゲームのバトルとかそもそも得意な質でなかったのもあったんですが。
奈須きのこのダイレクト摂取は正直なところやや骨が折れたんですが(なかなかクセが強い作家さんですよね彼……)決め所をきっちりとつけて魅せるその文体には脱帽で、もうFateルートの終盤なんか寝るのも惜しんでずっとスマホと向かい合っていました。ほほをつたう、からの士郎とセイバーの想いの交錯は本当に見事で、そこで初めて「ああアニメはまだ未完成だったんだな」と思いました。魂の双子、とまで形容されるほど士郎とセイバーは(その思想こそ別物ですが)「在り方」が似ていて、その士郎が「願いは持てない」と言うからこそ、セイバーは頑なだった願いを解いて「そんなものはいらない」とどこまでも王であった自分自身を最後に放してあげられたのか、と。
王としての彼女ではなく、アルトリアというひとりの少女として、彼を待つことを選んだんだ、と。

それをアニメの時以上の感慨でもって噛み締めながら、さてUBWをやろうか、という時にHFの公開が決まり、記念のピックアップがあったんです。ピックアップサーヴァントはアルトリア(セイバー)とかアルトリア(オルタ)とかがいたのは知っていたのですが、何しろ当時の私は何はともあれセイバーと士郎という関係性推しでしたから。
何はさておき礼装狙い。
そう、セイバーと士郎のコンビ礼装「光の先へ」が欲しくて欲しくてもう課金するくらい欲しくて、辛抱たまらず回したんです。
10連2回目で当てました。
何をって。
ええ、

☆5サーヴァント「アルトリア・ペンドラゴン」を。

「そっちじゃねえええええ!」って一瞬スマホをぶん投げかけて、「いやでもめっちゃ嬉しい!」と慌ててがっちりと握り直し、画面を見つめて「いややっぱおかしい!」と叫びました。当時のツイッターの私、本当に面白い呟きしてるなぁ(他人事)
あっちなみに「光の先へ」礼装、出ませんでした。課金したんですけど、ちょっと、あの、なんか……謎に礼装だけが来ないってことありますよね……。っかしいなぁ、慎二とライダーさん、凛とアーチャーの礼装は出たんだけどなぁ……。
フォロワーにも「美雨さん、運の使い方おかしいよ」(婉曲表現)と言われたんですけど、あの……はい……私も……そう思います……。

その前の10連で来てくれていたセイバーオルタと一緒に一生懸命種火を授けて第一から第七まで、すべての特異点を私というマスターと一緒に走り抜けてくれました。いつでも私のマイルームで私がマテリアル読み返しでふへへとか言ってるのをいつも見守ってくれているあなた、なぜか推し(天草・エレシュキガル・プロトアーサー)のPU時にすり抜けの☆5(玉藻・玉藻・ヴラド・エルキドゥ)を与えてくれるあなた、なぜか自分(ランサーアルトリア・アーチャーアルトリア)のPU時はすんなりと召喚させてくれるあなた。おかげさまで「美雨さんちのアルトリアはマスター過激派同担拒否」とかいう認識がフォロワーの間で広まりつつあります。
あなたがいない私のFGOライフはもう考えられません。あなたは別に優しい人ではないけれど、誰よりも信念の強い、強くてかっこよくて可愛くて美しくて、優しくあろうとしている人だと知っています。幕間の不思議な特訓はよくわからなかったんですけど。
強化もおめでとう。今回のスキル強化でガラリとあなたのゲーム性能評価が上がったこと、私はとても嬉しく思う。うっかりスキルマにしたらあなたのための貯蓄だった牙が一気になくなっていっそ清々しい心持ち、あっいやでもちょっと待ってまだランサーアルトリアとアーチャーアルトリアのスキルレベル残ってるから、ま、まだ全部は食べないで、あっ…………。

で、ここからはちょっと真面目な覚書です。

夢、というのは不思議なものです。願望の表れとも言いますし、意味なんてないものだとも言う。結局は記憶の継ぎ接ぎにすぎず、夢に意味なんてないのかもしれません。でも神秘の残り香漂う最後の島、ブリテンの時代、夢は確かに何かを示唆する大切なものでどこかにそれは神秘として芽吹いていたものかもしれない。
作品中でアルトリアは「見覚えのない」というフレーズを何度か繰り返しますが、それは彼女という存在がアルトリアの中に存在するものではない、という意味合いです。完全な外部からの介入者。でも彼女はアルトリアへの害を為さず、僅かな影響さえ与え得ない。いてもいなくてもいいのに、なぜかそこにいてしまう。
そういう存在はアルトリアという「個」にとってとても楽なことです。アルトリアは「彼女」に対して独占欲染みた何かを抱くけれどそれは決して執着でもなければ愛でもありません。ただ淡い、初恋のような、憐れみにも似た小さな情です。「ここ」にしかいない彼女を所有しているような感覚。
あの場所は紛れもなくアルトリアの「夢」であり人類史というテクスチャよりも僅かばかり内側の世界。いつかアルトリアの辿り着く、道しるべにも似た細い入り口。
いずれ彼女は消えますがそれは元の世界に戻るだけの話。彼女は結局、アルトリアという人間にひとつの痕すら残すことなくカルデアの自室で心配顔をした後輩に出迎えられることでしょう。
ただ、いつかアルトリアがあの場所に辿り着いたとき、とうの昔に忘れ去っていた確かに疼いたあの胸のうちを思い出して僅かに目を伏せるような。そんな跡さえ残すこのない癒えた古傷になれればいい、とそんなことを書きながら考えていたのでした。