ルベライト
ーあの時の俺は弱かった。
金色の髪に褐色の肌に青い眼。
ハーフという異国の血の特徴を多く受け継いだ俺の容姿はこの国では異端。
その為同じ年の子供たちからはいじめの対象として毎日生傷が癒えなかった。
今日もいつものように殴られ「日本人じゃない」等と言われていた。
ー俺は日本で生まれたれっきとした日本人なのに…。
そう思い、相手をにらみつければ飛んでくる足。
ほぼゼロ距離からの攻撃に俺は目をつむったが、なかなかその衝撃はやってこなかった。
恐る恐る目を開ければ、腰まである漆黒の髪がゆれる。
俺がどんなに欲しがっても手に入ることのない綺麗な漆黒の髪。
そして振り返った少女の瞳は宝石のサファイアを切り取ったような色をしていた。
きっとこの時からだろう…彼女の瞳に恋焦がれたのは。
そして同時に彼女に強く惹かれたのは…。
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