プロローグ

ー私は人を殺した。

不思議な不思議なノート。

一見ただのノートに見えるが、そのノートはどんな兵器よりもすごいノートだった。

拾ったものにしか見えない死神。

顔と名前を知り、そのノートにその名を書けば、その者に死を与えることのできるノート。

そして死神と契約をすれば、人の寿命と名前を見ることのできる死神の眼。

だがそれらには代償がある。

ノートを使った人間は天国にも地獄にも行けない。

死神の眼を貰った人間は自分の残された寿命の半分を与えなければならない。


そして、私はノートに自分の名を書いた。
死因はブルガタ症候群…いわばぽっくり病だ。

興味があったのだ。
天国と地獄が存在し、それらに行けない自分の魂はどうなるのか…。
己の名を書いた瞬間死神に言われた。

「探求心の塊かよ」

と。

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「おはよう、三雲ちゃん」
「三雲〜パパだよ〜」

そしてどこにも行けなかった私の魂は新たな命として誕生した。

私は人を殺した。
それは生前の自分をー…