当然の急接近






男性の家はとても雰囲気のいいオシャレな部屋だった。男性曰くここはイタリアだと言ってので、きっと男性はイタリアの双子の兄だろう。名前は…度忘れした。
ちらりと男性の顔を見る。本当に、とても整った顔立ちでぱっと見ではとてもイタリアに似ている。しかしくるん…アホ毛の位置や肌の黒さ、髪の色と声のトーンが違う。じぃ。と男性を見ているとその視線に気がついたらしい。男性がこちらを向いた。

「そういやぁ…お前はバカ弟から俺の名前聞いてるか?」
「え、あ、いや…その、」
「聞いてねぇのか。ロマーノだ。」
「ロ、ロマーノ、さん」
「あぁ。」

なんだろう、慣れない。
やっぱりイタリアに似ているからだろうか。それにしても、イタリアをバカ弟だなんて。

「さんはいらねぇよ。」
「でも」
「バカ弟と俺、似てるからな。呼びにくいだろ?」

ややドヤ顔でいうロマーノさん…ロマーノを不意に可愛いと思った。
と、急に玄関の方から騒がしい音がした。それは段々と強くなっている。

「………!」
「……………………、…!」
「……」

聴いたことのある、声が三つ聞こえた。…まさか、

「なまえー!会いたかったんだぞー!」
「なまえ!あの時は本当にごめんな!後で俺の作った料理やるからよ!」
「あぁ、ご無事でしたか!なまえさん!」

…やはり、祖国とイギリスとアメリカだった。とりあえずイギリスのつくる料理は絶対に食いたくないので拒否をした。
その時にイギリスが涙目でバカァ!とお馴染みの台詞を吐いたが気にはしない。にしてもアメリカが自分からイタリアのお兄さんの所に来るなんて…珍しい。聞いてみると私がいるから、だそうだ。ふざけた理由である。

「俺の家に瞬間移動したら良かったのにー。残念なんだぞ!」
「絶対アメリカの家に行ったら私太るよね…?」
「え?どうしてだい?」

あなたの食生活に合わせるからだよ。

「その前になんでイタリアがいないの?」
「イタリアさんなら今頃ドイツさんと訓練をしている最中ですよ。」
「なるほど理解した。」
「あんのバカ弟はまだじゃがいも野郎とつるんでやがるのか!?」

イタリアをバカ弟、ドイツに至ってはじゃがいも野郎よわばりするとは、どうやらロマーノは余程の馬鹿者らしい。ドイツにそんなこと言ったら、絶対に私は終わる。ロマーノは肝が座ってるんだな、と思いました。
この後何故かボロボロのイタリアとドイツがやってきて、何故か興奮気味のスペインもやってきてロマーノ宅で突然のホームパーティとなった。