2018/08/02

転生女審神者と二人のへし切長谷部だったモノ


黒田国重→別本丸長谷部。無糖派。二年先輩。前世を割り切っている。人間の意識が強い。(そもそも神だったころをあまり覚えていない。)
長谷部→審神者本丸長谷部。甘いものが好き。嘘をつく時に笑いながら小首を傾げる癖がある。審神者との運命を信じている。前世では二軍隊長であった。審神者への気持ちを拗らせて情愛だと思っている。
審神者→元審神者現OL。黒田長谷部の後輩。実は黒田長谷部に一目惚れしている。前世の記憶はある。自分のところの長谷部ではないと知っている。審神者だった頃は将としての責務を全うしていた。

現代転生//違う本丸所属だった元審神者と元へし切長谷部の話


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っていう話を一年前に書こうとして断念した欠片を供養。いつかちゃんと書きたい。

追記は途中まで。続きは未定。




昼休憩の時間は、いつも自分で作った弁当を昼食として食べている。
理由なんて食費を浮かす以外には無く、弁当といっても、安売りされている時に買い込んだ冷凍食品が大多数を占めている。自分で作ったものなんて卵焼きくらいだ。
元々料理を進んでやるタチでは無かったし、家の手伝いでやった事も記憶にあまり無い。だからわたしが出来ることといえば、卵を焼くことと、お肉を蒸すことと、野菜を炒めることぐらい。肝心の食材を焦がすこともままある。
それでも、毎日外食するよりは、下手なりに自分で食事を持ち込んだ方が安上がりなので、毎朝欠かさずキッチンに立ち、あれやこれやと弁当に詰めているわけだ。

とまあ、こんな風につらつら書き連ねてきたわけなのだが、実は週に一日だけ、弁当作りを休む日を作っている。それが今日、金曜日。
この日だけは昼休憩に外へ食べに行っていいことにしているし、あんまりにも疲れた時には夕飯も買って帰ったりしている。食後のデザート付きだ。月に数回の、ほんのご褒美。

今日という日を楽しみにしていた私だったが、ここで予想外の出来事が起きた。
仕事が、片付かないのである。
確かに今月は我が社にとって繁忙期であり、加えて月末書類も差し迫っている。現場はてんてこ舞いだ。
こんな中まさか自分ひとりだけ優雅に外食に行けるわけもなく、でも今日の弁当を持参してきてない私は、申し訳ないながらもしょうがなしに財布とスマホ、社員証を持って席を立つ。隣の同僚に下のコンビニに行ってくることを伝えて、早足で、でも静かに、オフィスを出た。



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(あーあ、やらかしたな)


手元の缶を眺めて、ため息をつく。有名なメーカーの、ブラックコーヒー。
コンビニ遠征を果たしたまではよかったのだが、肝心の飲み物を買い忘れてしまった。本日は水筒さんも休暇である。買いにコンビニへ戻るにもちょうど混み合ってきたようで、少々面倒に感じてしまった。しょうがない、休憩室に寄って自販機で買おう。そう思い、休憩室まで向かい、自販機を目の前にし、目当ての飲み物の代金を投入したところで、この始末である。
単純な話。押し間違えたのだ。
だめだな、自分寝惚けてるなと思う。最近中々寝付けていなかったから、そのせいだろうな、とアタリをつける。今日は帰宅したら、真っ先に風呂に入って寝よう。そう決めて、後ろを振り返った。が、すぐ背後に並んでいた人にぶつかってしまった。


「っと、すみません」


言いながら顔を上げる。開けた視界に移りこんだのは、艶やかな黒髪に、グレーのスーツ。人のものとは思えないほどに美しい、漆黒の瞳。ひらりと揺らめいた社員証。そこに書かれている名は。

『 黒田 国重 』

どきり、と心臓が騒いだ。


「黒田先輩!」
「ああ、お前か。こちらこそすまなかった。大丈夫か? 」
「はい、全然。本当にすみませんでした……後ろをよく見てなくて……」
「まあ、そんなこともあるだろう。今日は忙しそうにしていたしな」


黒田国重。二つ上の、デキる先輩。
指通りの良さそうな、少し癖のある髪。長い手足。勝ち気なつり眉に優しさを携えた垂れ目。
彼の容貌は、彩りこそ違うけれど、己のよく知ったヒトに、大層似ていた。



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『へし切長谷部』は、言わば前世の部下だ。
そもそも前世なんて突拍子もないこと、誰が信じてくれるかと思う。でも、たしかにわたしの中には、その記憶が在った。


わたしは、前世『審神者』であった。


刀剣に宿りし付喪神を喚び起こし、日本の歴史を乱す歴史修正主義者を屠る日々。
審神者という本丸の長であったわたしは、たくさんの付喪神と暮らしていた。

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