降るような蝉時雨を楽しんで、背丈以上に伸びた向日葵に目を細めて、室温でちょっとだけ温くなった麦茶を飲み干すのも悪くない季節
夏が好きだと、燦々と降り注ぐ太陽光のように眩しい笑顔
酷暑猛暑が長々永遠と続いて、足元に咲く木槿(むくげ)を見下ろして、よく冷やしたアイスコーヒーでうんざりする暑さを飲み下す季節
夏は苦手だと、じめつく空気を体現したようなどんより顔
2つの両極端な顔を突き合わせて、足して2で割れば、丁度良い塩梅
葉月の初日
手を取れば心地好いと感じるか、暑苦しいと感じるか
「んー、暑い」
「うーん、分かる」
「じゃあもっと離れてー?」
「それとこれとは、別」
「私暑くて死んじゃう」
「俺は暑くない」
お前体温低いから、くっついてると丁度良い
「私で暖じゃなくて、涼をとってるわけですか…」
正解だと言う代わりに、繋いだ手を引っ張る
引き寄せた先に待っているのは、俺の腕の中
「暑いってばー」
「我慢しろよー」
直径72センチメートル、伸ばした手の届く先
半径36センチメートル、抱き締めた君の身体
「夏」のど真ん中を生きる俺たち