香水と白い貴方(KOO)
Twitterの高低夢ツイ企画に提出したモノです。
お題:KOO×香水×すれ違い
新しく買った香水を手首と耳の後ろに吹き付ける。
それはどこか彼を連想させるような、白い瓶に入った上品な香りのするものだった。
いつもROCKYの傍に居るKOOさん。
【CLUB Heaven】で初めて彼の姿を見たときの鼓動の高鳴りを忘れない。
恥ずかしいことに一目惚れというもの。
それに憑りつかれてクラブに通い始め、今ではキャストさんに顔を覚えられ声をかけられる程になった。
けれども、まだ彼とはお店を出る時に「またのお越しをお待ちしております」と頭を下げられて、すれ違う程度である。
彼を目の前にすると言いたい言葉が出ず、顔が紅潮してしまう。
そんな顔を見られるのが恥ずかしくていつもそそくさと前を通り過ぎてしまう。
でも、今日こそは…。
気合を入れて卸したての白いワンピースに手をかけた。
***
結局、今日も彼に近付くことは出来なかった…。
店を出ようと階段へ足を運ぶ。そこにはいつものように彼が立っていた。
「またのお越しをお待ちしております」
紳士的な言葉使い。
声を聞いただけでも頭が真っ白になる。
「あ、はい、また来ます…」
やっぱり今日も駄目だ…。
そっと彼の隣を通り過ぎる。
「おや?」
すれ違いざま彼の声が聞こえた。
「今日は、いつもの香水ではないですね」
「えっ?」
振りかえると同じく振り返った彼と目が合う。
「新しいのですか?」
「は、はい、新しいのです…」
「そうですか」
徐々に近づいてくる彼。
足が動かない。心臓の音がうるさい。そっと耳元に彼が顔を寄せる。
「新しいのも貴女にお似合いですよ」
近付いた時に香る彼の匂いは予想通りいい香りでボーっとしてしまう。
そして耳元から離れた。
そんな柔らかい表情を今まで見たことありません。
そんな顔で見ないでください
やめてください
死んでしまいます。
「足元には気を付けてお帰りください」
***
ベッドに身を投げ出し先程の事を思い出し、足をバタつかせる。
間近に彼の顔があった、"いつもの"と言われた、新しいのも褒められた。
ふへへとだらしのない笑いが出る。
鞄の中の携帯に手を伸ばし、ひらりと落ちる白い名刺に書かれた彼の名前と手書きの連絡先を見つけて叫び声を上げるまであと少し。
(2017.11.16)1/22
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