髪結い(轟洋介)
お題箱より【彼女の髪を結んであげる轟洋介】
髪が伸びてきてそろそろ切ろうかなぁと思っていた彼女。
「ねぇ、洋介は短い方と長い方どっちが好き?」
「何、スカートの丈の話?」
「違う、髪の話」
「別にどっちでもいいし」と雑誌に視線を落とす轟。
「そっかー」と毛先を摘まんで遊んでいる彼女。
ふと思って轟の前に来る。
「ねぇ、洋介髪結って」
「はぁ?自分でやれよ」
「いーじゃん、やってよ」
櫛とヘアゴムを差し出す。
頑なな彼女を見て「はいはい」と雑誌を閉じて横に置き、代わりに櫛とヘアゴムを受け取る。
「よろしくおねがいしまーす」
背中を向ける彼女の髪に手をかける
「伸びたな…」
「そうでしょー」
へへっと笑う彼女の髪を梳く。
髪を触るごとにシャンプーの香りがしてクラクラする。
「……髪型どうすんの」
「洋介が出来るのでいいよー」
出来るのと言われても限られているが、スタンダードに高めの位置で髪を纏める。
欲に言うポニーテール。
「はい、終わり」
「ありがとー!」
そう言って鏡を見ながら首を横に振りながらチェックする彼女。
首を振るたびに揺れる髪とその奥に見える白い首筋。
彼女はまだ鏡を見ている。
そっとその首筋に顔を近付ける。
ビクッと体を揺らす彼女を気にせず軽いリップ音を立てて離れる。
首筋に残る赤い跡はすぐに彼女の手で覆われて見えなくなる。
そして真っ赤な顔した彼女と目が合う
「な、に、してんの!!!」
「して欲しそうな首してたから」
「意味わかんない!!」
『もー、髪上げれないじゃん…』と怒って立ち上がり洗面所に向かう彼女の後ろ姿を見る轟は口元を隠しながら笑っていた。
(2017.11.16)1/22
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