マッサージ(雨宮雅貴)
「疲れたー、足いたーい」
久々に運動したせいで棒のようになった足を放り出してソファに倒れ込む。
「はははっ、なまえちゃん運動不足なんじゃない?」
「うるさいなー、わかってますー」
部屋まで送ってくれた雅貴が自分のジャケットをハンガーに掛けながら話してくる。
それに頬を膨らませると、また笑われた。
「でも今回はやばいなぁ、明日筋肉痛かも」
動かすと地味に痛みを感じる足を擦りながら話していると、雅貴が顔をニコニコさせながら近づいてくる。
「マッサージしてあげよっか」
俺こう見えて上手いんだよ、なんて手を動かす彼が明らかに怪しかった。
が、クタクタに疲れた私は深くは考えず了承してしまった。
「じゃあ、お願いします」
「おっけー。じゃあ足こっちに向けてねー」
ソファに座り直して足を雅貴の方に向ける。ソファの前に膝をつき、私の足を手に取る雅貴。足に手が触れた時にぴくりと動いてしまいニヤニヤと笑う彼がこちらを見る。
「触っただけで感じちゃった?」
「ちがいますー!」
否定をすると笑いながら「冗談、冗談」と流される。
そして、雅貴の指が足裏、ふくらはぎへと伝いギュッギュッと軽く押される。固まった筋肉に指が食い込む感覚。
「…んっ、」
「痛かった?」
「大丈夫」
声が漏れるたびに、痛い?大丈夫?と聞いてくる雅貴に大丈夫と伝え,感じる痛みに耐える。
ぎゅっ、ぎゅっ、徐々に位置をずらしながら押す彼の指。
「……んっ、…………っんあ」
ふくらはぎの内側を強く押され、大きな声が出た。驚いて口を覆うが、目の前にいた彼にはしっかり聞かれており、
「なまえちゃん」
私の名前を呼んで笑いながら立ち上がり顔を近付け、口を覆ってる手をどけようとする。
「今の声もっと聞かせて?」
ふるふると首を振り、口を覆う手に力を込める。彼はもう片方の空いてる手をふくらはぎから太股へ移動させる。
その手の動きにビクッと体が震えた。
「あはっ、かーわいい*」
彼は覆っていた私の手を掴み強引にどけてソファに押し付ける。防御するものが無くなった私の口を見てから
「ねぇ、もっと聞かせて」
耳元に彼が唇を近付ける。
太股を撫でる手が徐々に上に移動する。
ホットパンツの中へとゆっくりと手をもぐらせる。
「……なまえちゃんの、えっちな声聞きたいな」
色気のある声が鼓膜を震わせる。
吐息が耳にかかり、私はギュッと目を瞑った。
「いたい…」
「ごめんって」
ソファから起き上がれないまま愚痴をこぼす私に彼は笑いながら手を合わせていた。
(2018/1/18)
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