彼女へのプレゼント計画(轟洋介)
お題箱より【誕生日の祝い方がよくわからない轟くんが、彼女の誕生日プレゼントの計画とかを頑張って練る話欲しいです】
彼女の誕生日まであと3日。スマホのカレンダーを見て頭を抱える。
女にプレゼントなんて今までの人生考えたことなかった。
女って何が好きなんだよ…。
直接本人に聞くか?いや、カッコ悪いだろ、それ…。
スマホを覗きこんで溜息を付く。時間がない。
「轟ちゃーん」
…あぁ、幻聴まで聞こえてきた。
まだ昼間だ、あいつの声なんてするはずない。
「…」
「とーどーろーきー」
「…うるさいなぁ!だいたいなんでいんだよ、アンタ!!」
「聞こえてんなら返事しろよデコスケ!」
顔を上げると前の席に座った村山が「やっほー」なんて暢気に声をかけてきた。
周りから『おいおい、なんで居んだよ』『やべぇよ、轟なにしたんだよ』とこそこそと声が聞こえる。
「何しに来たんだよ」
「関も古屋も今日来れねぇっていうからさー、付き合えよ」
「はぁ?パス、俺予定あるから」
「あ?いいから付き合えよ」
「引っ張んな!!」
「行っくぞー」
首根っこを掴まれて無理矢理連れ出される。
あぁ、くっそ、なんでこんな時に連れ出されなきゃいけないんだっ!
渋々村山の後ろをついていく。もう時間がないって言うのに。
スマホを取り出し検索画面を開く。
【彼女 プレゼント】【誕生日プレゼント】いろんな文字を並べて検索するがどれもパッとしなくて頭を悩ます。
「彼女に誕生日プレゼントですかー、轟くんも可愛いとこあるんですねー」
「見んな」
「何、悩んでんの?先輩が乗ってやるぞー」
「うるさいなぁ!関係ないだろ!」
「可愛くねぇなぁ」
画面をのぞきこんできた村山に殴りかかろうとしたら避けられて舌打ちをする。
なんだこの生き物は。
可愛くない可愛くないと騒ぐ村山。
うるさい、こっちには時間がない。
「お前、まだやるの決まってないの」
「・・・」
無言で居ると「うわぁ、まじかよ」と言われてスマホを握る手に力が入る。
なんだこいつ、ホンット何しに来たんだよ。
すると思い立ったように村山が「そっかー」と、また首の後ろを掴まれる。
「じゃあ、あそこ行こうぜー」
「は?ちょ、どこ行くんだよ」
「目的地へんこー」
そう言って目的地も言わずに歩く村山。
なんだよ、なんなんだよ、こいつは、ホントに!!
* * *
「お前、そんなので彼女が喜ぶと思ってんのか!!」
「「「思ってんのか!!」」」
「・・・」
うっぜぇ。何この状況。
村山に連れられて山王の喫茶店来たと思ったら、ピンクの集団に囲まれた。
意味が分からない。
ピンクの集団の後ろでは山王の総長とオムライスを食ってる村山がこちらを見ている。
なんだその顔は。
「…じゃあ、ぬいぐるみ、とか」
「“じゃあ”ってなんだ!お前彼女のことどう思ってんだ!」
「「「どう思ってんだ!」」」
「・・・うっざ」
「お前、今、純子さんにうざいって言ったな!!」
「「言ったな!!」」
ピアス、財布、ぬいぐるみ、一般的にプレゼントと呼ばれるものを出したのにことごとく切られる。
何なんだこのピンクの集団の人たちは。
「じゃあ、何がいいんですか」
「そうだなぁ、まずは女ってのはなぁ、」
「その彼女って言うのはどんな奴なんだ」
「彼女の好きなもんとかわかんねぇのか」
「だいたいなぁ!そんなちっぽけなプレゼントじゃなくて、男ならビッグなもんにしろよ!!」
「「「ビッグなものにしろよ!」」」
1人が口を開けば残りの人もしゃべり出す。
質問は一つにしてくれ。
この人たちは1人で話せねぇのか。
だいたい、ビッグなもんってなんだよ、アバウトすぎるだろ。
おい、村山、こっち見てんじゃねぇよ。
口元にケチャップ付いたままこっち見んな。
山王の総長も憐みの目でこっちを見るな。
あぁ、くっそ。
そうこうしている間に時間は刻々と過ぎていく。
タイムリミットまで残り2日と5時間。
(2017.10.22)1/22
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