苦手だ。だからといって嫌いという訳でもない。ただただ苦手だ。別に悪い人って訳でもない。苦手な理由を聞かれてもわからない。
「えーー、ミルクちゃんまた行かないの?」
「うん。特に仲良しって訳でもないし……。」
そう、仲良しって訳では無い。
「これから仲良くなればいいじゃん?」
そう簡単に仲良くなれたら困っていない。
「優しいよ??」
別に優しくないとも思っていない。
「トランクスくん」
トランクスくん。別に彼が嫌いなわけじゃない。ちょっと苦手なだけ、とゆうよりもそもそも家族以外の人間に免疫がない。彼の母、ブルマさんも明るく優しくすごく気を使って話しかけてくれるが上手くコミュニケーションをとれない(私が)。彼の父はもってのほかだ。
どんなに弟が彼の事を優しいとか怖くないとか言ったって彼本人の前ではやはり上手くいかない。なら、上手くいかないなら変に気を使わせるなら変に困らせるなら行かない方がいいに決まっているとミルクは思っているのだ。
「ごめんね悟天くん今日はお母さんのお手伝いするから。」
そう言っていつも逃げる。
「またー?たまには僕と遊んでよー」
もちろんいいよ。もちろん
「二人の時にね」
そう、彼がいないなら弟と二人で遊ぶのならば
「ちぇ、わかったよ。じゃ僕行ってくるね!」
「行ってらっしゃい。」
双子の弟がトランクスくんの家に行くのを見届けミルクはいつものように母の所に行く。
「おっ母、手伝う事ある??」
「なんだ、ミルクちゃんは今日もトランクスの所には行かないだか?」
「うん。」
「たまには遊びに行ってもいいべ?ミルクちゃんはいつもお手伝いしてくれるからな、」
「ううん。いいの、お手伝いするの楽しいし。」
「流石ミルクちゃん。将来いい嫁さんになるだな。」
「そっ、そんなの無理だよ〜」
「いいや、そんな事ないべ?」
ミルクは孫家のはじめての女の子、母のチチも大事に大事に育てている。
周りから見れば過保護すぎるほどに、そしてミルクはそのせいが家族以外の人間とは上手くコミュニケーションがとれず友達はクリリンの所のマーロンちゃんぐらい。本人は弟と兄、母、そう家族さえいればいい。そう思っている。そんな娘を母は心配しているらしい。どんなに遊びに行く事を進めてもミルクは断固として行こうとはしなかった。チチは皿洗いをする娘を背にいい嫁にはなるが、貰ってくれる人がいるのか心配になった。