流れ星に願いをかけて






『おーっ…!!』

とある地方にロケでやって来たCrescentとプロセラ・グラビの年少組は、今日がピークと言われている流星群を眺めるという撮影の為、星がよく見える丘にいた。

「Za-kuro先輩! すっごく星が綺麗です!!」
「そうだね、Tsu-bomiちゃん…!」

蕾だけでなく、柘榴も地元では中々見られない満天の空に心を躍らせている。
しかし、彼女達だけではなく…

「すっげぇ!! あんなにも星があるんだ!?」
「東京にいたら絶対に見れない数だよね、恋!」
「星が、いっぱい……!」
「うんうん…!! うちの地元でもここまではないよ!」

恋・駆・涙・郁も、各々で心を躍らせていた。

「でも、本番はこれからだよな! Za-kuro!」
「うん! 郁くん!」

郁と柘榴の絶妙な掛け合いによって順調に番組が進行し、後は流星群が流れ始めるまで待つのみだ。
ということで、一旦休憩を入ることにした。

「皆さーん、シートを持ってきましたー」
『はーい!』

返事を返した全員は、スタッフが用意してくれたシートの上に座る。
グループごとにシートが分かれており、Crescentは真ん中のシートである。

「くろちゃん、楽しみだね」
「うん! 地元の空も綺麗だったけど、ここの空も凄く綺麗だね…!」

涙と柘榴の会話が弾んでいる中、恋と蕾は真剣に願い事を唱える練習をしていた。

「(心羽とドラマW主演、心羽とドラマW主演できればキスシーンあり!!)」
「(空君がツキプロオーディションに合格しますように、空君がツキプロオーディションに合格しますように!!)」

あからさまに願望のオーラが滲み出るように表れている2人を見た郁と駆は若干呆れている。

「あそこまで丸出しだと」
「逆に、出てこないんじゃ…?」

そんな予感しかせず、思わず苦笑し合う。
一方、涙と柘榴は、

「夜さんにも、見せたかったなぁ……」
「夜、星を見るの好きだもんね」
「うん。あ、スタッフさんに写真撮って良いか聞いてこようかな」
「…? どうして?」
「スマホで今の空を撮って、夜さんに送りたいんだ」

そう話す柘榴は夜の喜ぶ顔が浮かんだのか、ふわりと微笑む。

「じゃあ、僕も海達にお裾分けする」
「それなら、一緒に行こっか?」
「うん、行く」

涙が頷いたのをちゃんと確かめ、同時に立ち上がろうとした。そのとき、

「!! 柘榴先輩!あれ…!!」
「え? …!」

蕾に呼びかけられ、ふと振り返ると…2つの流れ星が空に流れていった。

「い…! 今の見た!? 駆っ!?」
「お、落ち着いて恋……」
「俺、初めて流れ星見た!」
「うん、僕も初めて見た…!」
「すっごい! すっごーいっ!!」
「うん、凄いね…!!」

初めて見る流れ星に感動していたタイミングで、自然体の彼らを撮りたいというディレクターの指示によりいつの間にか撮影が再開された。

「あ! また流れたよ蕾ちゃん…!」
「どこですか!」

流れた方角を指差す柘榴と、手を付け前のめりになる蕾。
流れ星に夢中になっているからか、2人共素顔のままでいる。と、

「うっわ!? 夢中になってお願い事するの忘れてた!?」
「あーっ!? アタシもだ!?」
「蕾ちゃん…」
「恋……」

柘榴と駆が困惑の表情をしているのを気にせず、2人はジーッと空を見つめる。
…が、10分経っても一つも流れてこない。

「流れ星、止まったね」
「うーん、心当たりはあるけど…」
「恋と蕾?」
「いや、本人達が近くにいるのに言っちゃダメだからね?」
「そう…?」

涙の言葉に突っ込む郁。
当の2人はそんな彼らの会話を耳に入れず、まだ空をガン見していた。が、

「「…首いた〜いっ!」」

ずっと同じ姿勢でいた事によって首に少しの痛みを感じ、後ろ側を押さえる。

「ずっと同じままでいたからだろ?」
「蕾ちゃん、これ以上痛めないようにマッサージをした方が良いよ?」
「は〜い……」
「恋も、一旦首を楽にした方が良いよ?」
「分かってるよ〜っ…」

柘榴と郁に促された2人は一緒に首を下に向け、軽くマッサージを始めた。
…その瞬間、

「「「「あ、流れた」」」」
「「嘘っ!?」」

顔を上げたときには、もう流れ終わっていた。

「先輩〜っ!」
「ごっ、ごめんね蕾ちゃん! 言うタイミングが遅くなっちゃった……」
「い〜く〜っ!!」
「いやいや、たまたまだって!?」
「まぁまぁ、まだ始まったばかりだから…」
「うん、これからもっといっぱい流れるよ」

駆と涙のフォローの言葉に絆された恋と蕾は、口を尖らせながらもう一度下を向いた。が、

「「「「あ、また見えた」」」」
「「何でっ!?」」

まるでギャグみたいな展開に、後ろにいるスタッフ達は笑いを堪えている。

「うわ〜っ、アタシとこいっく先輩だけ見れないなんてーっ!」
「クッソー! 何が原因なんだよ!?」

恋の一言に対し、郁と駆は何も聞いていないことにした。

「うーん…。このまま、お願いしようかな……」
「何をお願いするの、くろちゃん?」
「…耳、もう少し近付けて?」
「? うん、分かった」

言われた通りに耳を近付けると、彼女は小声で内容を伝えた。

「…僕も、同じ事をお願いする」
「え…?」
「くろちゃんのお願い、凄く良いと思ったから」
「涙くん…。ありがとう」
「ん? 涙、柘榴。何を話してるんだ?」
「あ……。えっと」

どうしたら良いのかと涙の方を一瞥する。

「いっくんにも、話してみよう?」
「…うん、そうだね」
「……?」
「あのね、郁くん…」

柘榴は郁にも内容を話し、伝え終えた所で蕾達にまでどうしたのか?と聞かれた末…最終的に、全員にそれを伝えた。

「よーし、皆でお願いするぞーっ!」
「「おーっ!!」」

駆と蕾は恋の掛け声に元気良く答えながら腕を上げる。

「よしっ、俺たちもやろう!」
「「うん…!」」

涙と柘榴も郁の掛け声に頷き、皆で沢山流れる綺羅星に願いを掛けるのだった。