深夜とグレン 2






「俺らも出るぞ!!」
『おうっ/了解!!』

鳴海隊が向かった後、皆本隊も人質の救出へ向かう。
優一郎もすぐさま彼らを追いかけようとしたのだが……

「あ、ちょっと待った!! 全員すぐに時計を出してください!!」
「? あっ…」

シノアの言葉の意味を理解したシノンは真っ先に時計を出し、シノアの時計に向ける。
それを見た優一郎達も時計を取り出し、シノンがと同じように向ける。

「では、5分後にアラームをセット。5分経ったら何があってもすぐ撤退します。いいですか?」

その後、シノアは優一郎に念入りに説明をするがやはり納得が出来ないらしく、「だけど…」と言い掛ける。が、

「文句は無しで、隊長は私です。そして、私は私のミスで死人を出したくない」

それを聞いた優一郎はようやく了承した。

「そう簡単にいくのなら…」
「大丈夫ですよ、シノア姉様」
「シノンの言う通りだ、きっとうまくいく。だいぶ連携が取れ始めたしな」

シノンと三葉は互いに顔を合わせ、シノアに言う。
それに続けて与一も「凄い仲良くなってきたしね!」と言うが、君月が「そこまで仲良くはねーけどな」とクギを刺す。

「君玉子、空気読むの下手」
「おまえに言われたくねぇよ!!」
「ふっ、2人共…!?」

優一郎はそんな皆の表情にほんの少し口角を上げる。
そのとき、まるで戦闘開始の合図のように背後から爆発音が聞こえた。

「うわ、もう始まった!!」
「行くぞ!!! 5分以内に全員救う!!!」
「はい!!」

優一郎の掛け声と共にシノア隊もビルから飛び降りた。
その頃、1番最初に市役所に行ったグレン隊は立ちはだかっている一般吸血鬼と交戦していた。





「はぁあああっ!!!」

グレンと深夜をクローリーの所へ行かせるべく囮役を担った聖璃は先頭を保ったまま《大鎚地》を敵に向け振り回す。
だが、まだ1割程度しか軍勢が減っていない。

「チッ! 皆!! ちょっと特殊能力使うから早急に退がって!!」

呼びかけに気付いた五士達は安全圏まで退がる。
それを確認してすぐに、

「っし…。大地をも揺るがす天変となれ、"神羅判象"!!!」

《大鎚地》を振り落としたと同時に四方から無数の落雷が降り、全て吸血鬼に当たった。
これで半数は減らせたはずだ。

「皆!! 怪我ない!?」

五士が「大丈夫だ!!」と答えた。

「うしっ、じゃあもういっぱ…!?」

もう一度特殊能力を発動しようとした瞬間、クローリーと戦っているグレンと深夜が壁に投げ飛ばされたのが見えた。

「く…!! いま助けに…!!」
「行くな。ありゃ行ったら足手まといになる」
「そうよ、あたし達が今やるべきことは…目の前にいる敵をぶっ潰すだけ」

まるで、自分に言い聞かせるように美十に言う。
シノン達もその様子が見え、

「シノア!! このままだと師匠が……!!」

深夜の事を案ずる真音はシノアに訴える。

「どうされますか、シノア姉様」

シノンもまだ冷静を保ったままシノアに問い掛ける。すると、

「当然助けるに決まってんだろ!! 後ろから襲えばグレンたちと挟み撃ちにできる!!」
「………」

優一郎に絆されるように、5分だけ救出を許した。

「そんだけあれば十分だ!! グレンを救うぞ!!」
「真音様!!」
「うん…!!」

シノンと真音は即座に戦闘態勢に入る。

「作戦は私が立てます!! 私の言う通りに動いてください!!」

シノア隊がグレン・深夜救出作戦を決行した頃、名古屋上空では……





「おい!! おまえら一体何を…!!」

ヘリに乗っていた依音達。
しかし、突然ミカエラと依音が仲間を殺し、それに気付いた吸血鬼が問い質そうとしたが…彼も依音の手によって殺された。

「やっと追いついたよ。優ちゃん、シノンちゃん」
「真音、もうすぐ行くからね……」

待ち望んでいたときがもうすぐ来る…と、2人は血塗られた剣を鞘に収める。

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