「銀ちゃん」
「何だ」
「お腹空いた」
「そうか」

 今日起きて初めての会話がコレ。本当にお腹空いてるのよ、先週から毎日卵かけご飯だし。私が作ろうにも材料が買えない。卵1パック買ってくるのがやっと。お仕事の依頼来ないかな……と思っていたら、近付いてくる微かな足音。

「銀ちゃん」
「今度は何だ」
「……お客さんが来たみたい」
「そうか」

 2人で入口の方を見つめていたら、ゆっくりと戸が開いた。

「遅くなりました!」
「ただいまアル!」
「アン!」

 新八と神楽が、定春の散歩から帰ってきただけだったらしい。何だお前らか…と軽く溜め息を吐く銀ちゃんと、その反応にご不満な様子の神楽たち。

「……ご飯にしよっか」

 苦笑いしながら立ち上がり、皆に声をかける。……まあ、やっぱり今日も卵かけご飯……なんだけど、ね。


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