試験なんか消えてなくなればいいのに。こんな問題全然分からない。数学って何ですか、文法って何ですか、英語って何語ですか!

「ああぁ分からない!」
「……何叫んでんだよ、バーカ」
「あ、シカマル」
「んだよ。何やってんだ?」
「勉強です、一応」
「……真っ白じゃねーか」

 私の問題集を覗くと、さらに呆れた顔で言う。

「だって分かんないんだもん」
「はぁ……めんどくせぇな」
「え?」

 目の前に腰掛けたシカマルは、問題集を奪って目を通し始めた。

「シカマル?」
「るせーな、ちょっと黙ってろ」

 突然怒られた。待って、今気付いたけれど2人きりだよ。シカマルと2人きり…!

「なまえ」
「うぁいっ!」

 ……意識しちゃって変な声が出てしまった。

「なんつー声出してんだよ、色気ねぇな」
「わ、悪かったわね!」
「……まー、そんなのはどうだっていい。見てみろ。ここは、こっちの教本に書いてある通りこうやって……」
「ま、待って! 何?」
「あ? 教えてやるっつってんだよ。いーから黙って俺の言う通りに解いとけ」
「う、うん」
「……終わったら、何か冷てぇモンでも食いに行こうぜ」
「うん!」
「ナルトたちには言うなよ、めんどくせーから」

 口元に緩い笑みを浮かべるシカマルに、みっちりと勉強を習う。めちゃくちゃスパルタだったし何度か頭を叩かれたけど……でも、かき氷は奢ってくれた!

「また2人っきりで勉強できたらなぁ…」
「何か言ったか? かき氷溶けるぞ」
「うあ、ハイ!」


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