「まーさおみ」

 俺の名前を呼んで可愛らしく擦り寄るのは、可愛い可愛い彼女のなまえだ。どんなに可愛いか全人類に見せてやりたいくらいだが、とりあえず惚気はここまでにしておこう。だってここはベッドの上で、しかも今はなまえから甘えてくれてるんだし。

「何?」
「……なんでもない! 呼んだだけっ」

 ぎゅうっと俺に抱きつくなまえの髪を撫でながら、必死に理性と戦う俺。彼女愛用のトリートメントの、少し甘めの香りがする。そんな俺の気も知らず、幸せそうに笑っている彼女。今日こいつ機嫌いいなあ。

「なまえー」
「なーに」
「なんでもねーよっ」

 梳いていた髪をぐしゃぐしゃと撫でまくり、さらさらの髪が乱れているのも構わずに、彼女の白い首筋に噛み付く。ちょうど髪で隠れるあたりに、紅い痕をひとつ。

「ぼさぼさ…しかもキスマーク……」
「いーじゃん、なまえは俺のだし?」

 再びなまえを腕の中へ収め直して、彼女からも抱きついてくれるのを確認して……さーて、今日は何時まで寝ていようかなっと。



「……昼には起きるつもりだったのに」
「3時過ぎかー。いっそもっと寝るか?」
「うん、そうする…」


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