「なまえー! 好きだー!」
「あ、正臣」
50mほど離れた所に愛する彼女の姿があったので、声をかけてみた。一緒にいた杏里と手を繋いで走ってくる。なんて可愛いんだ。さあ早く俺の胸に!
「なまえさん以外の女の子だったら、今ので正臣フラれてるよ。確実に」
「分かってないなー帝人。なまえは優しくて可愛くてヤバいから大丈夫!」
「……(頭大丈夫かな正臣)」
失礼な帝人の発言は置いといて。助走の勢いそのままに飛び込んできたなまえを抱きしめる。ああ、この瞬間が一番幸せだ。
「おいおい杏里とデートか? 俺とのデートは断ったくせに」
「うん。杏里大好き」
「………」
「杏里愛してる」
「あ、あの…なまえちゃん、私…」
「……俺彼氏なのに…」
「正臣残念だったね」
真っ赤になっておろおろする杏里に、かわいいっ! と抱きつくなまえ。いや、これはこれで可愛いセットだからいいんだけど。彼氏なのに俺。俺より杏里のが優先順位が上なのか、ちくしょう。でも可愛い悔しい。
「明日は俺とデートしよ、なまえ」
「明日は舞流たちとお買い物なの」
「…………」
折原姉妹にまで先越された!
「正臣元気出しなよ」
「そうだな、俺には帝人がいる」
「僕も明日は用事あるけど」
「帝人のバカァア!」
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