昼休み。ヒメコの席にお邪魔して、ずっと気になっていたことを意を決して聞いてみることにした。

「ねえヒメコ、食事中に悪いんだけど…」
「何や? なまえ」
「ボッスンってさ、好きな人いる?」
「ぶふっ」

 ――ボッスンの好きな人を。

「何…まさかなまえ…あのアホを?」
「えっ、アホ?」
「好きなんか! アレを!」

 そういう風に言われると、何だか切ない気がするけど。こくりと頷くと、ヒメコが物凄く驚いた(というかだいぶドン引いた)顔をした。

「え…な、何!?」
「悪い事言わん、別の男にせぇ」
「そんな形相で言わなくても」
「アレじゃなまえを幸せに出来ひん!」

 考え直せ! と肩を掴まれたそのとき、後ろから不意に声をかけられた。それは私の心臓をトランポリン並に(?)跳ねさせるには、充分な威力を持っていた。

「よ、よよよう!」
「ボッスン…!」
「おおおおう、なまえじゃんん!」
「(コイツなまえのこと好きやもんな…話聞いとったな)」
「何だ、遊びに来っ…たのか!?」
「(今思っきし舌噛んだな)」


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