ここはデンライナーの中だ。今日は良太郎となまえが来ている。

「なまえちゃん大好きー!」
「わ、リュウタ! 苦しいっ」
「なまえ、こっちに来て僕と話さない?」
「ウラ、痛いから腕引っ張らないで…! キ、キンちゃん助け…寝てるし!」

 今あっちで引っ張り凧になってんのは、俺の女…の、はずだ。端っこで良太郎と一緒にプリン食わされてる俺の身にもなれってんだ。

「モ…モモタロス?」
「ああ!?」
「あの…なまえちゃんが久し振りにデンライナーに来たから、皆はしゃいでるね」

 良太郎なりのフォローのつもりなんだろう。口を開けば怒鳴りそうだから黙っとくが……情けねぇな、あいつらとなまえが話してるだけで妬いちまうとは。

「モモタロスー!」
「あ? なんだよ」
「隣いい?」
「お、おう…」

 ふわりと隣に座ると、ナオミが淹れたコーヒーを飲みながら、なまえが俺のプリンを一口、スプーンで掬った。

「おい! 俺の」
「いいでしょ、一口くらい」
「………」

 その甘さで幸せそうににやけているなまえに、ちょっとした思い付きで頬にキスをしてやった。

「な! モ、モモタロ…ス…」
「……い…いいだろ、これくらい!」
「あー! なまえちゃんにキスした!」
「う、うるせえ!」


 みんなキミが大好きなのさ!


「まあ俺が一番好きだけどな」
「え、僕が一番好きだよ!」
「先輩より僕の方が」
「ん、何の話をしとるんや?」
「皆落ち着いて、なまえちゃん困ってるよ!」
「「「良太郎は黙ってて(ろ)!」」」
「だから、何の話や?」


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