なーんで俺が怒られてるんだろ。
「猛、こらー! 起きろーっ!」
「なーんだよー……あと5分…」
俺今日はゆっくり寝てたいんだよ。そのために練習メニュー表を前もって松ちゃんに預けて、任せてあるのに。
「だめだよ猛、練習出ようよ」
「今日は松ちゃんに任せてんの」
「猛は監督でしょ! もう!」
そんな怒んなくてもいいじゃん、今日くらい寝かせてくれよ。
「だーっ! うるせぇ!」
「きゃあ!」
ベッドの真横にいたなまえの腕を掴み、布団の中へ引き摺り込む。じたばたする細っこい体を抱き寄せ、大人しくさせた。
「猛、はなして!」
「はなしたらなまえ、また騒ぐだろ」
それでもまだ布団の中で暴れるなまえを、さらにきつく抱きしめる。
「いーから」
「え?」
「もうちょい…このまま寝かして」
真っ赤になって、やっと静かになった。やっぱ可愛いなー、さすが俺の彼女。
「こらー! 達海さんもなまえさんも何してるの、練習あるんだから起きて!」
「わあ! 有里ちゃんごめん…!」
……まあ、見事に有里の邪魔が入っちまったわけだけどね。
「はーあ……邪魔すんなよ有里ー…」
「朝っぱらからなまえさんに何してたのよ!」
「色々と」
「ちょっと猛!」
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