ああ、今日も暑い。
横にいるブン太も、ソファで寝そべりぐったりとしている。
「……ちょっとトイレ」
「ん。いってらっしゃい」
ブン太がトイレに行くために席を立ったので、私が代わりにソファに座る。今まで寝そべっていたブン太の体温のおかげで、ソファまですっかり温まっていた。
「ソファが温い……」
そのまま漫画を読んでいると、ブン太が何かを片手に戻ってきた。
「なにそれ」
「じゃーん、氷」
「! ひとつちょうだい」
「だーめ」
目の前にある皿の氷をブン太がひとつ口に含み、私はそれを恨めしげに見つめる。氷は少しずつ溶けてきて、皿の上で微かにカランと音を立てた。次のひとつを口に含んだとき、ブン太は私の視線に気付いたのか、少しずつ距離を詰めた。
「………な、なに」
と、口を開いた瞬間、ブン太の唇が私のそれに重なる。口の中には、ブン太の口から移された氷。
「物欲しそうな目ぇしてっからさ」
悪戯に笑うブン太はもうひとつ氷を口に含み、また私にキスをする。
その冷えた舌まで味わって
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