今は保健室でのサボり中。先生は途中で出張へ出てしまい、なまえと2人で保健室のソファの上。

「あれ、なまえ?」
「………」

 腕の中のなまえは、すでに寝ていた。抱っこ! と言ってきかないもんやから、うっさいわ、と仕方なく抱きしめたら、いつの間にか寝息を立てていた。
 寝顔を見てみようにも、俺に抱きつく形で眠っているなまえの顔は見えず。抱っこ言うたり、急に寝たり……なんやねん、ほんまに。

「なんぼなんでも寝るん早いやろ」
「ん……」

 愚痴っぽく呟きながらも白いベッドに寝かせてやると、少し唸って俺がいる方へと軽く寝返りを打つ。……まあ、不覚にもやっぱこういうとこは可愛ええわ。
 手を伸ばして頬を撫でてやると、俺にまで睡魔が襲ってきた。

「あかん、俺まで眠なってきた…」

 数回目を擦り、なまえの隣へと潜り込む。ベッドの中で擦り寄ってきたなまえを、ぎゅっと抱きしめて目を閉じた。


 保健室でお昼寝


「んん……あれ? 光も寝てる…」
「………ん…」
「まあいいや、私ももう1回寝ちゃお」


―――――


「なんや、お前ら何寝てんねや」
「眩し……カーテン開けんといてください」
「まだ授業中やで。教室行きや」
「部長こそ3年生なんやし、戻った方がええんちゃいます?」
「なまえの寝顔……」
「見んといてください」
「減るもんじゃあるまいし」
「せめて後ろのヘタレしまってください」
「おお、謙也。謙也もケガしたん?」
「“俺は”ケガや。お前はちゃうやろ。今体育やで? なんでここに居んねん」
「……トイレや、トイレ」
「ここ保健室やろ」
「……サボりの後輩を注意しに…」
「お前は何寝てんねん」
「ええから早よカーテン閉めてください」


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