休み時間、私は朋ちゃんと桜乃と一緒にお手洗いに来た。いつものように鏡の前で髪を結い直しながら、3人で話す。
 今日の話題は、恋愛について。

「私はもちろんリョーマ様一筋よ!」
「そりゃあ朋ちゃんはね」
「桜乃もリョーマ様よね? ね!」
「そ、そんな…」

 朋ちゃんが桜乃に詰め寄り、桜乃が顔を赤らめる。前々から思ってはいたけれど、やっぱり桜乃はリョーマの事が好きなのかな?

「皆好きな人いるんだねー…」
「あれ? なまえちゃんはいないの?」
「てっきりリョーマ様だと思ってた」
「もう、朋ちゃんは……よし、この話はおしまい! 教室戻ろ!」

 ごまかして廊下に出た瞬間、朋ちゃんが「あ!」と叫んだ。私は桜乃と揃ってびくりと肩を震わせ、振り向いた。

「な、何?」
「朋ちゃん…?」
「さ、さては、なまえ…!」
「え?」
「なまえの好きな人って、堀尾でしょ!」
「え!?」
「なっ…!」


 冗談やめてよ!


「え? 違った?」
「当たり前じゃないの!」
「……なまえちゃん、朋ちゃん。あそこ…」
「あ…いつもの3人だ」

「堀尾くんショック受けてる」
「元気出して、堀尾くん」
「うう……無駄にフラれた…」


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