「慎也?」
「何だーね」
慎也に話しかけたら、いつも通りの口調で振り向いた。少し眉間に皺が寄ってるんだけど、また観月くんから何か言われたのかな……それとも、もしや裕太くんから?
「なまえ?」
「あ、ごめんごめん」
顔を覗き込んでくる慎也に驚き、我に返る。ちょっとイライラし始めちゃったみたいだし、本題に入ろう。
「はい、これ」
「ん?」
「これ食べて機嫌直してね」
ころん、と彼の手の上に転がしたのは、一粒の飴玉。
蜂蜜ハニィ
「……甘すぎだーね」
「はちみつ味だもん」
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