ある晴れた暑い日。今は部活中、私はマネージャー。もちろん外で作業をしている。……まあ、一番暑いのはこの炎天下で厳しいトレーニングを積んでいる選手たちなんだろうけれど、私だってとにかく暑いのだ。

「暑ーい!! あー!」

 叫んでストレス発散を試みるが、暑さは増すばかり。近くにあったベンチに倒れ込むようにして座ってぐったりしていると、急に顔面から体から何からびっしょり濡れた。

「冷た!」
「目ぇ覚めたか? 馬鹿」

 涼しくなったろ? さっさと仕事しやがれ――跡部から水をかけられた。クソクソ跡部! タオルを探していると、後ろからふわりと、探していたそれの柔らかい感触が。振り向くと、そこには樺地がいた。

「樺地?」
「ウス」
「拭いてくれるの?」
「びしょ濡れ、でしたから…」

 彼なりに優しく拭いてくれたけれど、やっぱり力が強くて…少しだけ痛かった。


 ごしごし、


「終わりました……なまえさん」
「ありがと。樺地大好き!」
「………ウス」
「何やってんだ樺地! 早く戻れ!」
「……跡部のやつ、自分でやっといてヤキモチかいな」


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