俺たち2人は、英語の赤点組だ。なかなか終わらない補習プリント。今日の放課後に全部やって提出しろだなんて、うちの教師は無茶を言ってくれる。

「あーかやー」
「……んだよ」
「一応言うけど寝ないでよね」
「……寝てねー、よ」

 説得力がないと分かっていながら、机に突っ伏したまま答える。案の定、なまえはムッとした声で言い返してきた。

「ちょっと! 寝ないでってば」
「だって分かんねーし…」
「でもやらなきゃでしょ。真田先輩に言っちゃうからね」
「……お前もだろ、マネージャー」
「うっ」

 もし赤点だったら応援になんて来ないで勉強しろ――というのが、副部長の命令。相手がマネージャーだろうが誰だろうが、厳しいもんだ。なまえもこれには逆らえまい。ほらな、反論するのをグッと堪えて黙っちまった。……そしてなまえの言う通り、このままだと俺もまずい。

「……まあ、ここは」
「とりあえず」


 共同作業といきますか


「私こっちの文法のが得意だから、赤也も得意なの解いて。終わったら写し合お!」
「俺全部だめ。任せた…」
「っちょ、寝るなー! 赤也!」


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