何故、俺の部屋になまえがいるんだ。
「………」
任務を終えて帰ってくると、すでに夜中だった。アクマの数が多かったせいか、俺は普段の比ではないほど疲れていて、とっとと風呂に入って寝ちまいたかった。
それなのに、個室のドアを開けたらこれだ。なまえが俺のベッドを占領し、すやすやと寝息を立てて、時折寝返りを打っている。
……なんて、まじまじと観察している俺は俺で何なんだ。ったく。
「おい、起きろ」
「んん……やだ…」
「やだじゃねぇ。お前起きてんだろ、ごまかせると思うなよ」
「……ユウ」
「何だ」
ユウ――この呼び方を許すのは、こいつだけだ。
「ねむ、い」
「お前には自分の部屋があんだろ。なんでわざわざここで寝てんだ。邪魔だ」
「ん……ユウ」
「……ちっ」
せっかく起きたのに再び瞼が重くなってきたなまえに、軽く舌を打つ――が、これは別になまえが嫌いだからってわけじゃない。もう、一種の癖のようなものだ。すうっと眠り始めたなまえは諦めてそのままにし、先にシャワーを浴びに向かう。
「……なまえ」
シャワーを浴びた後、長い髪を濡らしたままベッドに座る。
「なまえ」
まだ髪が濡れているというのにベッドへ入り、呼びかけてもなかなか起きないなまえを抱き寄せる。できるだけ優しくその頭を自分の胸に引き寄せると、柔らかい髪や頬が当たってこそばゆい。何度か髪を撫で、なまえの顔を自分の方へ向かせる。
俺がいない間、寂しい思いをさせただろうか。頬には、先程は気付かなかった涙の痕がいくつもあった。俺が帰るまでにこの数だけ、こいつは泣いたのか。
「……悪かった」
小さく呟き、起こさないようそっと頬を撫でた。
触れた指先に
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