今日はハロウィンだ。もちろん俺とジャスデロは朝から色んなヤツにお菓子をせびり、お菓子をくれてもくれなくてもイタズラをしてまわっている。

「おっ」
「ヒヒッ」

 新しい標的を発見。こいつは他のヤツらよりも、俺たちを楽しませてくれるだろうか。

「なまえ」
「何よ」
「トリック、オア」
「トリート! ヒィッ!」

 2人で手を差し出すが、なまえはすたすたと歩いていってしまう。このジャスデビ様を相手にスルーかよ。さすがなまえ。

「おいおい、なまえ」
「お菓子をくれないならイタズラだよ、ヒヒッ」
「……あなたたち、お菓子あげたってイタズラするじゃない。そんなのあげ損だから、あなたたちにあげるなら自分で食べるわ」

 また歩いていってしまうなまえ。くそ、とことんスルーするつもりか。

「「なまえー!」」
「きゃあぁああっ」

 こうなったら強行手段。後ろから飛び付いてみる。ごそごそとなまえの服のポケットを漁って、飴をゲットした。

「あるじゃん、お菓子」
「ヒヒッ、確かにもらったよ!」
「もう。それはロードから言われたとき用の飴なのに!」
「ボクが……なぁに?」

 ゆらりとロードが現れた。ロードの視線の先は、俺が今なまえから奪った飴。……これはまずい。

「それ……ボクのなんだってぇ?」
「「逃げろぉお!!」」
「……まったくもう」


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