今俺告白されて…る、んだよな? しかも好きなやつから。でもこれ、告白と取っていいのか? すげー笑顔で「こーすけ、好き! って言ったらどうする?」なんて、某映画の元お魚さんの少女みたいなトーンで聞いてくんだけど。

「なんで?」
「な、なんでって」

 あんまり唐突だったからちょっとカマかけてみるか、なんて思って意地悪してみた。案の定、あたふたしてる。

「ど、どーなのかなーって、思って」
「……なんで?」
「なんっ……」

 さらに聞いてみる。……こんな答えが分かりきってる質問をわざわざする俺は、絶対にやけてる上に意地悪な顔してんだろうな。ああ、こいつが焦るの見てると楽しい。

「こ、孝介の答えによるもん」
「………ふーん」

 ここで俺の答え先に聞こうとするんだ。何も考えずに言ってるわけじゃないらしい。

「……俺も好きー、って言ったら?」
「ほ、ほんと!?」

 あからさまに嬉しそうにするのを見て、思わず噴き出す。こいつ正直すぎるだろ。言ってしまった! みたいな顔で目の前で慌ててる小さいのを抱きしめて、「今日から俺彼女持ちだから」と、とりあえず近くにいた田島に自慢した。

 あー、笑った。今回の駆け引きは、俺の負けでいいか。



「えー! なんで泉ばっかり!」
「ま、頑張れよ」
「俺も彼女ほしー!」
「ま、頑張れよ」
「い…い、泉くん、すごいっ!」
「さんきゅー三橋」


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