「じゅん、た」
「……ん?」

 一緒に住み始めて3日目の夜。寝るときには必ず俺がなまえを抱き寄せる形で眠る、というのが早くも習慣化していた。
 腕の中から小さな声で呼ばれて目を覚ますと、ただの寝言だったらしい。目の前には、微かに微笑んで静かに寝息を立てるなまえの寝顔があった。

「……寝言かよ」

 枕元の時計を見てみると、今は夜中の3時。まだ起きるような時間ではない。なまえへと目を向け、「お前の寝言で起きちまったぞ」などと独り言を呟きながら頬を軽く抓ってやる。ぴくりと反応するのが楽しくて、しばらく頬を撫でたり摘んだりして遊んでいたら、なまえが目を覚ましてしまった。

「………準太…?」
「悪い、起こすつもりはなかった」
「ん……だいじょ、ぶ」
「………」

 なまえは小声で途切れ途切れに答えると、またすぐに目を閉じて俺に擦り寄った。……どーすっかな俺…完全に目、覚めちまった……。


(準太の苦悩)

「で、俺はどーすんだよ」
「…………」
「ぐっすり寝てるし……理性が…」
「…………」
「……やべ…理性とか意識したら余計に目冴えてきた」
「…じゅん、た」
「……また寝言…」
「んん……すき」
「もう………襲ってやろうかな」

理性との戦い


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