お前が好きだ――そう言われて、戸惑う。だって、そんな。あの隆也がそんなこと言ってくるなんて、誰も思わないじゃない。ぶっちゃけ、廉のことが好きなんだろうとばかり思ってたし(隆也ごめん)。

「……おい、返事は」

 いや、だってあの! 隆也は、私が隆也を好きだってことを知ってて言ってるの? 両想いだって知ってて言ってるの? どどどどうしよう、絶対声が裏返る!

「おい!」
「はいぃっ!」
「……返事」

 そ、そんな急かさないでよ。こっちは今頭の中が真っ白なんだから!

「えと……わ、たしも好きで、す」
「……は」
「私も、隆也が好き」

 隆也が大きな目を丸くさせてこっちを見るから、再び挙動不審になりつつも、勢いに任せて隆也に抱きつく。わわわわ! 何やってんの私、うわ! 自分で気付いて離れようとしたけれど、離れられなかった。……ううん、離してもらえなかった。


「お前、俺が予想してたより可愛いよ」
「へ……へ? えっ…え?」
「いいよ、意味分かんなくて」


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