今日もとっても良い天気。皆元気いっぱいで、仕事もバリバリ! ……なハズだったんだけれど。予想外の猛暑日で皆バテてしまい、ぴくりとも動かない。

「銀さんはもう溶けそうでーす……新八ィ、苺牛乳買ってこい」
「嫌です絶対に」
「新八ィ! 生意気言ってないで酢こんぶ買ってくるアル!」
「絶対に、嫌です」

 さっきからこの調子。今の万事屋では冷房機器が壊れていて、団扇しかなく……団扇で扇ぐ気力もなくなるほどに暑い。扇いだとしても、生暖かい風しか来ず。

「……いいわ、私が買ってくる。アイス、苺牛乳、酢こんぶ、夕飯の冷し中華の材料、砂糖……他に買う物は?」

 サラサラと買う物のメモを書きながら、溜息を吐く。すると皆一斉に飛び起きて、新八が問い掛けてきた。

「なまえちゃん、外見て。陽炎。暑いですよ、溶けちゃいますよ?」
「だからよ。冷房の効いたスーパーの方が涼しいから」

 すると「銀さんも!」「私も行くネ!」と騒ぎ出す。しかし、冷房の修理スタッフが来ることになっていて、全員で留守にするわけにはいかない。
 結果、ジャンケンで1人だけ私と一緒にスーパーに行くことになった。勝者は意外にも新八。他2人のブーイングの中、私と新八は家を出た。

「なまえちゃん、なんか……ごめん。僕で」

 ブーイングを受けたことにより、自分の勝利に少しだけ罪悪感を感じたらしい新八が謝ってくる。

「ううん、新八と2人っきりって初めてだね。なんか改まると恥ずかしいや」
「そういえば、2人っきりで出かけるのは初めてだね」
「新八」
「ん? 何、なまえちゃん」
「手、つなご」

 新八は驚いたように目を瞬かせたけれど、いいよ、と手を差し出してくれた。そこに自分の手を重ねてしっかりと握り、スーパーまでの道のりを歩く。

「ねぇ」
「はい?」
「すき」
「……えっ」
「好きよ、新八」
「え、えっ…それって……」
「今日、新八と2人きりで嬉しいかも」

 みるみるうちに新八の顔は赤くなり。

「えっと……なまえちゃん、」


 ありがとうございます。


「おーおー、あついねェ。お2人さん」
「ぎ、銀さん! って何でアンタ達が居るんですかァ!」
「なまえと付き合うのは私を倒してからにしろヨ、アイドルオタクが」
「……」



*台詞お題より

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