昼飯を食べ、さぁ今日も小説の取材に…と意気込んで席を立つと、娘のなまえに呼び止められてしまった。……ちっ、バレたかのォ。

「父さん」
「……何じゃ」
「どこに行くつもり?」
「いや…その……温泉……かのォ」
「また覗き?」

 ……鋭いのォ、まったく…。

 恥ずかしいからやめて! と言われ、渋々今日の取材は断念し、椅子へどっかりと座り込む。

「あー……なまえ、ワシは取材に行きたいんじゃがのォ……」
「駄目! 私が外に出た時、覗きなんてされてちゃ恥ずかしいわ!」
「…………」

 絶対行かせませんと仁王立ちされては、もうここを動く事は出来ない。
 仕方あるまい……今日は小説の事は頭から離して過ごすかのォ。

「それにしてもなまえ……」
「な、何?」
「我が娘ながら…いい女に育ったのォ」
「父さんの変態」
「………」

 ……思っておくだけにすれば良かったのォ。まったくなまえは厳しい。本当にワシの娘なのか……。

「あ、そろそろナルトくんの修業見に行ってあげなくちゃ」
「何ィ?」
「エロ仙人は頼りにならないから、なまえ姉ちゃんに習いたいんだってばよ! って言うものだから」
「……ワシが行く、ワシが!」

 ナルトのやつ、なまえへの下心が見え見えじゃ。大事な一人娘を、みすみすナルトのやつなんぞにはやれんのォ。



「あれ、なまえ姉ちゃん居ないってばよ」
「残念だったのォ、ナルト」
「なっ…エロ仙人っ!」
「お前なんぞになまえはやれんなァ」
「ちぇっ……」


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